聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました



 ──あの日の朝食後、マルティーナはブランカ宮殿の中と庭園を歩き回った。
 そうして不思議そうに、しかし確信をもってこう言った。

「昨日この宮殿に感じた神聖魔法の気配がなくなっています」
「ええっ!?」
「何だって?」

 学院長とベルナル先生は同時に目を見開いた。

「申し訳ありません。期待はずれな結果になってしまって……」
「そんなことは! ダメ元のつもりだったのですから。第一マルティーナ君が謝るようなことではないではないですか」

 マリティーナが今にも泣き出しそうに言う。

「そうとも言い切れないんです。その代わり……なぜでしょうか? 私これまで使えなかったはずの神聖魔法の使い方がわかります!」

 ルーカスには、そうだろうという気がした。

 しかし、学院長にとっては突拍子もない発言に聞こえたのだろう。
 学院長には珍しく、大声を上げた。
< 165 / 220 >

この作品をシェア

pagetop