聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました

26

 研究室を出ると、ルーカスは一気に捲し立てた。
 ずっとふたりきりになれるのを待っていたのだ。

「マルティーナ、君は以前治癒以外の神聖魔法をイメージする能力を『どこかに置いてきてしまったのかも』と言っていたよな? 君の前世はヴァレリアで、その『どこか』がブランカ宮殿だったのでは!?」
「ま、まさか! そんな私が聖女だったなんて、とんでもない……」

 本気で驚いた顔をしている。

「だけど、それならどこでヴァレリアとアーロンの名前を?」
「それは、ブランカ宮殿を訪れたあの日、夢を見たんです。夢の中で私はヴァレリアになっていました」
「夢? どんな夢だ!?」

 ルーカスの勢いに、マルティーナは気圧されてしまっている。

「その……すまない。怒っているわけではないんだ。ただ知りたい気持ちが強くて、はやってしまっているだけで」
「あっ、そ、そういうことってありますよね」
「それで教えてくれないか? どんな夢だったかを」
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