聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
(ルーボンヌめ、どこまで腐っているんだ)
200年前のことのはずなのに、現在進行形のことのように腹がたった。
いや、決して過去の出来事ではない。
それは現在にもつながっている。
(マルティーナがヴァレリアの能力を取り戻した今になって惜しくなったとしても、絶対にルーボンヌには利用させてなるものか)
再び強く心に決める。
「それで、黙ってアーロン様のために神聖魔法を使っていたんです。いつか気づいてくれることを望みながら。私が宮殿に到着したときの光は、彼女が最期の瞬間に使った魔法でした。治癒魔法だけはいつかアーロン様にかけたいと願っていましたが、それ以外の神聖魔法をあの場所に置いていきたかったんです」
『あら?』とマルティーナが首を傾げた。
「でも……その時点でヴァレリアは事切れたはずなのに、その後アーロン様に治癒魔法をかけていました。それがすごくうれしかったはずなんですが……」