聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
「なら、2年からの専門は水か? それとも土か?」
「えっ、そうなの? どっち、どっち?」
マルティーナはこれまでに、専門属性をどれにすると話したことはなかった。
将来の展望が見えず、決められなかったからだ。
しかし今は違う。
「風がいいかな、と思います」
「それはまたなぜ?」
「神聖魔法には大気が重要で、風魔法と親和性が高い気がするんです。それに、植物も大気を取り込んでいますし……」
説明しながら、はっきりと気持ちが定まっていく。
「そうと決まれば、私後期試験もがんばらないといけません!」
『ふんっ』と気合いを入れた。
それは当然のことだ。
成績順に専門の希望は通るのだから。
「また一緒に勉強会でもするか?」
「わあ、お願いしてもいいですか?」
「ああ、一緒にやろう。といっても、風属性は例年あまり人気がないから、そこまで気合いを入れる必要もないはずだけどな」
「なら、人気があるのはどの属性ですか?」
「火と水だろうな」
「えっ!?」
悲鳴をあげたのはパウラだった。