聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました

「どうかしたの?」
「私……水にしようと思ってて……」

(水か土かで迷ってたはずだけど、水に決めたのね)

 風を選んだ時点で、2年生以降もパウラと同じクラスになれる可能性が消えたことはわかっていた。
 それでもパウラの口からはっきりと風以外の選択を聞かされると、どこか淋しく感じてしまう。

 パウラが顔の前でパンッ! 小気味よい音を立てた。

「お願い、その勉強会に私も混ぜてください!」
「ウーゴもきっとまた一緒だと思うが、それはいいのか?」
「そんなこと言ってられないんですよ! 希望が叶わなかったら困るんで。それにウーゴには質問しないで、ルーカス様とマルティーナからだけ教えてもらうからいいんです。ウーゴは同じ空間にいるってだけ。だいたいウーゴだけ学年トップから教えてもらうなんて、ズルかったんですよ!」
「ということは、前期試験では負けた?」
「『前期試験では』というか、前期試験でも負けました」

 頬をぷくっと膨らませる。
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