聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
「ファーマルズって、すっごく男尊女卑なところがあるんです。女って時点でハンデを追ってるんだから、能力でも負けるわけにはいかなくて。ウーゴの家とうちの家って同業で、協業できるときはいいんですけど、競合するときもあるから……」
「なるほど。パウラにも色々あるんだな。ウーゴもだけど」
「あの能天気なウーゴには何にもないですよー」
『そんなはずがない』とでも言いたげなパウラを見て、ルーカスは苦笑いを浮かべた。
「勉強会参加は構わないが、ただしウーゴも仲間だってつもりで来ること。それが条件だな」
「えーっ!」
「普段は仲よくやってるじゃないか。勉強会だってそうしてくれればいいんだ。家業のことは僕にはわからないが、もっと肩の力を抜いてみてもいいんじゃないかと思う。ウーゴだって努力して、あの成績だ。それと同郷同士、彼から教わるほうがわかりやすいことだってあるかもしれない」
「それはそうですけど……」
やけにウーゴの肩をもつ。