聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
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王宮に呼び出された。
(『呼び出し』というのは少し大仰か?)
ざっくばらんにいうと、父親から『大事な話があるから週末に帰ってきなさい』と命じられたのだ。
十中八九、ルーボンヌ神国の件だろう。
(大方こちらの返答に対して、次のリアクションがあったというところだろう)
王宮に戻るなり、ルーカスの前には封筒がふたつ差し出された。
「こっちはマルティーナ嬢の身上調査結果だ。原本ではなく写しだから、それはお前が持って帰りなさい」
「ありがとうございます」
本人の了承も得ずに、勝手に調べた情報だ。
少し後ろめたい気がしないでもない。
しかし、どうしても気になってしまい、手に取ってその場で中身を広げた。
「問題となるようなことは何もなかったから、安心しなさい」
「あっ、はい」
顔を上げると、父親は忍び笑いをしていた。
可笑しくてたまらないようだ。
当初は調査自体を不要だと拒んだにも拘わらず、飛びつくようにしてしまったことが、今さらながら恥ずかしくなってくる。
と、父親は急に真顔になってもう1通のほうを指差した。
(『呼び出し』というのは少し大仰か?)
ざっくばらんにいうと、父親から『大事な話があるから週末に帰ってきなさい』と命じられたのだ。
十中八九、ルーボンヌ神国の件だろう。
(大方こちらの返答に対して、次のリアクションがあったというところだろう)
王宮に戻るなり、ルーカスの前には封筒がふたつ差し出された。
「こっちはマルティーナ嬢の身上調査結果だ。原本ではなく写しだから、それはお前が持って帰りなさい」
「ありがとうございます」
本人の了承も得ずに、勝手に調べた情報だ。
少し後ろめたい気がしないでもない。
しかし、どうしても気になってしまい、手に取ってその場で中身を広げた。
「問題となるようなことは何もなかったから、安心しなさい」
「あっ、はい」
顔を上げると、父親は忍び笑いをしていた。
可笑しくてたまらないようだ。
当初は調査自体を不要だと拒んだにも拘わらず、飛びつくようにしてしまったことが、今さらながら恥ずかしくなってくる。
と、父親は急に真顔になってもう1通のほうを指差した。