聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
「問題になるのはこっちだろうな」
「見ても?」
「ああ。ルーボンヌ神国からだ」
ルーカスは先ほど以上に、素早く中を確認した。
「大神官が直々にマルティーナ嬢と面会したいと書いてある」
「大神官!?」
「200年前の聖女の魔法を取り込んだなど、前代未聞だからな。マルティーナ嬢を案じているような書きぶりだが、本心はどうだかな」
「マルティーナが聖女の能力を継承している可能性は、すぐに思いつくでしょうね」
「だろうな。マルティーナ嬢が聖女の能力を有していると判明したら……」
(聖女として認定する? しかし、他国にいる者を聖女に認定したところでどうにもならないではないか?)
「少なくとも我が国に留学中は、マルティーナは自由ですよね? ……はっ! こちらは無期限の留学のつもりだったことにすれば……」