聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました

 しかし、虚勢でも何でもなく、ウーゴは全く意に介していないようだ。

「いいんだよ。勝っても負けても、パウラは俺のことで頭がいっぱいだったから。それに、もしパウラが勝ったとしても、俺に勝ったことがうれしくて、しばらくそのことばっか考えるだろ。で、2年生になってもまた勝ちたくて、やっぱり俺の成績が気になるはず」
「なるほど」
「ところで、うちのクラスに何か用だった?」
「マルティーナはもういないのか?」

 ウーゴが振り返って、教室を見回した。

「試験のあと、監督してた先生がマルティーナさんのこと呼んで、何か言ってたんだよな。そのあとすぐに教室から出ていったんだけど、まだ帰ってきてないみたい。でも、荷物がそのまんまだから、待ってればそのうち戻ってくるよ」

 『ほら、そこ』と、筆記用具が出しっぱなしになっている席を指差した。

「そうか、ありがとう」
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