聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
ルーカスは徐々に人がはけていく教室の中へ入り、ウーゴから教えられた席の隣に座って待つことにした。
やがて、ルーカスのほかは誰もいなくなった。
教室の中はB組もA組とほとんど変わらないけれど、窓から見える外の景色だけは違った。
やることもなかったので、見るともなしに眺めていた。
すると、じきに反対側から『あら?』という声がした。
振り返って視線が交わった瞬間、学院長から聞いたんだな、とわかった。
マルティーナのほうも、ルーカスがどうしてこの場にいるのかわかっているようだった。
「僕も、同席させてもらうから」
「本当ですか?」
マルティーナがほっとしたのが見て取れると、抱きしめたい衝動にかられた。
(落ち着け、落ち着け。面談の場に、知っている者がいてくれるのがうれしいというだけのことだから……)