聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
(ここからが本題だというのに! ええい、こういうときは深呼吸だ!)
「……その、大神官との面会に着ていくものだが、」
「あっ、また制服でいいですか?」
「いや、とびきり防御力の高いものを着てほしい」
「防御力? 大神官様が攻撃魔法を使うことはないと思いますよ? ましてや他国の王宮でなんて……」
マルティーナは首を傾げた。
(防御力っていうのは、そっちに対する防御ではないんだ。マルティーナは驚くだろうか? ……驚くだろうな)
そんなマルティーナを想像し、笑みが溢れた。
「オートクチュールメゾンのスタッフが採寸する必要があるんだが、週末一緒に外出できるだろうか?」
「はい、よろしくお願いします」
ルーカスの計画が動き出した──