聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
「面会ではルーボンヌがどう出てくるか予測できない。だけど、僕の言うことには必ず頷いてほしい」
「それは、私が否定したくなるようなことも言う可能性があるということですか?」
「わからないが、君が返事に迷わなくていいように、とにかく『イエス』とだけ言えばいいようにする」
ルーカスを信じろということだ。
何も説明してくれないところは、アーロンの頃と変わらない。
ヴァレリアが不満に思っていたことを挙げるとしたら、唯一これかもしれない。
そのせいで淋しかった。
「守ってみせるから、『イエス』と言ってくれ」
「イエス!」
そうしてマルティーナは、にっこりと微笑んでみせた。
ルーカスもほっとして顔を綻ばせたところで、マルティーナは言い放った。
「今日のところは時間もないことですし、了承しました。ですが、今日だけですよ」
「それは……」