聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
ルーカスは、唖然としているマルティーナの左手を優しく取った。
そうして顔の高さまで上げさせた。
「そう判断したからこそ、マルティーナ嬢と婚約させていただきました」
「えっ!? どなたがですか?」
(それは私も聞きたいわ!)
「僕です」
「なっ……王子殿下と!?」
「まだ1年ですが、同じ学院で共に過ごしていくうちに惹かれ、求婚させてもらいました。彼女の家族の承諾を得ないと……と思っていましたが、その必要はなさそうだね?」
ルーカスはマルティーナに視線を移し、目で訴えた。
今『イエス』と言うときだと。
「い、イエス!」
ルーカスは噴き出しそうになった。
本当に『イエス』と言ったことが、ツボに入ってしまったらしい。