聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
ルーボンヌ神国が外貨を稼ぐ手段、それが神聖魔法である。
神官や聖女、それに準ずる者たちは、同盟を結んでいる友好国から要請があればその国に出向く。
依頼内容は、浄化や祝福は稀で、そのほとんどが治癒だ。
そうして、医師が匙を投げた要人を治癒する。
その対価は相当な額になるらしい。
神聖魔法が他国から稼いでくる額は、ルーボンヌ神国の収入の4割を占めるともいわれている。
特権階級だけが高額な報酬を支払って治癒魔法をかけてもらっていることは後ろ暗く、どこの国でも公にされていないのだろう。
ここにいる誰も治癒魔法の効力を知らないということは、そうに違いない。
(神聖魔法について詳しく知ってる人がいなく助かったわ)
マルティーナは密かに胸を撫で下ろした。