聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
「ねえ、この国……アンダルイドではどの属性が需要あると思う?」
「えっ、マルティーナはルーボンヌに帰らないつもりなの?」
「そうなのか!?」
マルティーナとパウラ、ウーゴは反射的に声のしたほうを振り向いた。
(きゃっ、昨日の失礼な人!)
真後ろの席は空いていて、さらにその後ろの席に昨夜渡り廊下で出くわしたグループが座っていた。
「この国に定住するつもりなのか?」
この場にいるということは、同じ新入生ということだ。
なら遠慮はいらないはずだ。
「他人の話に入ってこないでください」
マルティーナはピシャリと言うと、それきりアンケート用紙と向き合った。
(正直に書くしかないんだし、悩む必要なんてないわよね)
全ての属性に丸をつけ、その下に『未定です』と書き加えた。