聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました

「隣に座ってもいいかしら?」
「もちろん」

 今の今までマルティーナのほうこそ心細かったが、オリビアの笑顔に安堵した。
 たった2日前に知り合ったばかりとはいえ、初日から打ち解けて話をすることができたオリビアと同じクラスというのは心強い。

 マルティーナはオリビアの隣に腰かけながら、クラスメイトの面々を確認した。
 式典用の顔だろうとわかってはいても、みな勤勉そうで賢そうに見える。

(それでも私だってがんばらないと……神聖魔法に比べれば、自然魔法はまだ努力の張り込む余地がありそうな気がするもの!)

「緊張してる?」

 オリビアがそっと訊いてきた。

「ええ、少し」
「そうだよね。でも、私たちは座ってればいいだけだから」

(入学式も始まってないのに、弱気になってる場合じゃないわ。しっかりしないと!)

「あっ、始まるみたい」

 まだ着席していない学生たちが、急いで空席を探して座った。
 マルティーナとオリビアは口を閉じ、教師陣が列をなしてホールに入ってくるのを待った。
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