聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました

 祝いの席で出されれば、ヴァレリアが不自然な笑顔を浮かべながら、無理矢理に口に押し込んでいたのを今でも記憶している。
 聖女として、好き嫌いなどできようもなかったのだろう。
 けれど、その目は虚ろだったし、鼻の息も止めていたことに隣に座っていた自分は気がついていた。

 さすがに直前すぎたため、最高級肉を人数分用意することはできなかった。
 しかし、肉質はやや劣るとはいえ、焼くのは副料理長たちでさらにそれを焼き立てで提供されるのだ。
 今日は非番で休みだったところを急遽お願いし、わざわざ学院まで来てもらった。
 マルティーナも気にいるに違いない。

 マルティーナがよろこぶのを想像しながら、上機嫌になって入れ替わり立ち替わりやってくる者たちと会話を交わした。
 歓迎会が終了するまで、気疲れするどころか、終始ほくほくとした気持ちでいられた。
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