聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました

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「いいところに! なあ、マルティーナさんの魔法、出鱈目にすごいよ」

 講義が全て終わり、男子寮に戻ってきたところで、ルーカスはウーゴに遭遇した。
 入学式の日以降マルティーナと会話ができていないまま、すでに2週間が経過していた。

 もう夕方だというのに疲れていないのか、やたらと興奮している。

(それにしても『出鱈目に』とは? 神聖魔法を初めて目の当たりにでもしたのか?)

「具体的にどうすごいんだ?」
「マルティーナさんって、始めに自然魔力にアクセスするための呪文詠唱が要らないんだよ」
「……はあ?」

 頭の中が疑問だらけだ。

「質問させてくれるか?」
「オッケー」

 ウーゴは機嫌よく答えた。
 むしろ訊いてほしくてウズウズしている。
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