聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました

「まずそもそもとして、マルティーナは自然魔法を使えるのか?」
「へっ!? この学院の学生なんだから、それはもちろん……」
「マルティーナは神聖魔法が使えるはずだから、てっきりそれで入学できたのかと……」

 ルーカスは自分で言葉にしながら、それはあり得ないことだということにようやく気がついた。
 ほかの魔法が使えようと、自然魔法が使えないのに入学が許可されるはずがない。

「ああ、らしいね。パウラが怪我したときに、実際使ってもらったんだって。それも見てみたいよなー。だけど、自然魔法も相当なもんだったよ」

(マルティーナは神聖魔法と自然魔法の両方が使える……?)

 そんな話を聞いたことがなかった。
 神聖魔法が使えるものは、自然魔法は使えない。
 その逆もまた然り。
 ヴァレリアだって、使えたのは神聖魔法だけだった。
< 70 / 220 >

この作品をシェア

pagetop