聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました

12

「以上が前置きでして、本題はここからです」

(すでに十分過ぎるほど衝撃を受けているのだが……)

 ルーカスは身構えた。

「マルティーナ君を誘ったのは、彼女の将来を案じてという、ただの慈善活動のつもりはありません」
「というと……?」
「神聖魔法と自然魔法の両方を扱える人材が現れたのです。しかし、それはマルティーナ君だけに限ったことなのでしょうか? 我々が神聖魔法を使える可能性は?」

(ああ、そういうことか!)

 ルーカスが目を大きく見開くと、それに応えるかのように、学院長は重々しく頷いた。

「ですが、ルーボンヌ側もそれに思い当たったのでしょう。マルティーナ君本人も留学を望んだ後になって、ゴチャゴチャと言い出しましたよ。お陰でかなり額の寄付金を支払わされました。といっても、それが済めば、あとはすんなりでしたが。あの国の拝金主義は相変わらず……どころかますます酷くなってますね」

 『なにが神国だ』とでも言いた気だ。
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