聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
「マルティーナも、200年前の聖女同様に買われてきたのですね」
ルーカスはマルティーナの心中を想像し、胸が締めつけられた。
同時に、ヴァレリアに対する罪悪感にも襲われた。
(こんなふうにヴァレリアを慮ったことはなかったな……)
「聖女がどうだったかはわかりませんが、少なくともマルティーナ君の場合は、彼女自身も留学を強く希望してくれたからこそ実現したのですよ」
「そうでした」
自分がマルティーナの傷口をさらにえぐってしまった事実は取り消せないし、ヴァレリアのことはもうどうすることもできないが、学院長のその言葉に少しだけ救われる。
せめてマルティーナの学院生活が幸多いものになることを願う。
「そして大枚をはやく代わりに、ルーボンヌとマルティーナ君には、留学期間中に我々の神聖魔法に関する研究に協力することに了承を得ています」
「神聖魔法の研究!」
ルーカスは身震いした。