聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
「課外活動は、参加できる日のみ参加すればいいだけのことですから」
「そう言っていただると助かります。では、初回は来週になりますので、予定しておいてください」
ルーカスは飛び跳ねたい気持ちを抑えて、学院長室を後にした。
(スタートで失敗してしまったとはいえ、これをきっかけに、マルティーナと普通に会話ができるようになるだろうか? もし友人になれるのなら、彼女の力になれることも出てくるはずだ)
マルティーナがヴァレリアの生まれ変わりではないのだと、この時点で十分に理解していた。
マルティーナがヴァレリアだったらいいという潜在的な願望が、そう勘違いさせていただけなのだ。
それでも、この国でやっていけるように手助けてやりたいという気持ちになっていた。
(ヴァレリアのときにも、そう思うことができていればよかったのにな……)
苦い感情に覆われそうになったところで、ルーカスはかぶりを振って自らを奮い立たせた。
(今度こそは間違えない!)