聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました

 パウラは聡い上に、思いやりがある人だ。
 こちらが話したくない状況のときには、察してくれて、それ以上突っ込んだことは訊いてこない。
 言えないことの多いマルティーナにとって、そのことは心底有り難かった。

(もしパウラとクラブ活動に参加できたら、楽しいに決まってるわ!)

 研究の期間と頻度については、知らされていない。
 しかし、考えてもみれば、研究するのはこの学院の教師たちなのだ。
 教鞭をとる傍らということは、拘束される時間は案外短いかもしれない。
あるいは、普段から協力的な態度を示しておけば、たまにはこちらの都合に合わせて融通を利かせてくれることもあるかもしれない。

(そのためにも、何をさせられるかはわからないけれど、とにかくがんばりましょう!)
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