聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
(どうしよう……ルーボンヌに帰るのだけはゴメンだわ。かと言って、ほかに行く当てなんてないし……)
せめて自然魔法がこの学院でも通用するだけのものであったならば、どうにかなったかもしれないのに! と悔しく思った。
ルーボンヌでは自分の自然魔法がどれほどのものなのか、測るだけのものさしがなかった。
それでも学院長から誘ってくれたのだから、ここでも落ちこぼれる可能性はあるにしても最低限のレベルはクリアしているはずで、留学さえしてしまえば何とかなるだろう、と安易に考えていた。
ところが蓋を開けてみて、びっくりだった。
マルティーナを除くクラスメイトの全員が、初等教育の段階から、体系化された学問としての自然魔法を学んできていた。
無知なのは、マルティーナただひとりだった。
マルティーナが教師からの質問に答えるたびに、皆が笑うまではしないでも、目を白黒させている。
自分とクラスメイトたちとの間にどれくらいの差があるのか、皆目見当もつかない。
それはクラスメイトたちの背中が見えないほどの遅れをとっている、ということに他ならない。