聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
ルーカスがもたついてしまったせいで言い終わらないうちに、学院長もようやくやってきた。
「申し訳ありません。少し遅れてしまいました」
学院長に続いて、教師たちがぞろぞろと入ってくる。
その列はなかなか終わらず、マルティーナは面食らってしまった。
(まさかと思うけど、学院の先生たち全員で私を研究するつもりなの?)
ようやく最後のひとりが研究室に入りドアを閉めたところで、学院長が再び口を開いた。
「大勢で押しかけたせいで驚かせてしまいましたか。ですが、マルティーナ君の神聖魔法をぜひとも拝見したいと、全教員が手を上げたものですから。次回以降はベルナル先生と、たまに私が来るだけなので、今日だけは許してください」
(許す許さないの問題ではなくて……こんな大勢の前で私のしょぼい神聖魔法を披露しなくてはならないの?)
目眩がしそうな思いだった。