聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
「ウーゴはすぐに崩してくれたんだがな」
「ウーゴさんは特別なんです!」
「まあ……確かに。あれほど変わり身早く打ち解けてくれるのは珍しい……というか初めてだったな」
「やっぱりそうですよね?」
マルティーナの口調こそ崩れなかったが、それでもこんなふうにポンポン言い合えるのは気持ちがいい。
この時点で、マルティーナがヴァレリアの生まれ変わりなのか、さっぱりわからなくなっていた。
ヴァレリアとの相違点を見つけたかと思えば、すぐに共通点が見つかる。
と思えば、また相違点が──
(どっちなんだ……)
考えながら、しかしどちらでも構わない気がしてきた。
ヴァレリアへの罪滅ぼしがしたいという気持ちは確かにあったが、ヴァレリアのこととは関係なく、単純にマルティーナのことをもっと知りたい、マルティーナともっと親しくなりたいという気持ちが湧き起こっていた。
ルーカスは自身の胸が高鳴っていることにはっきりと気がついていた。