無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
2章 6 巡礼の旅
村人たちは可愛らしいギンバトたちがくわえている布袋に次々とお金を投げ入れていく。
「リアンナ様……いったいこれはどういうことなのでしょう……?」
「ひょっとして、いつの間にかお金を回収してくるように調教したのですか?」
ニーナとジャンが驚いた様子で私に尋ねてくる。
「まさか! 知らないわよ!」
私にはハトを調教する能力などあるはずない。ましてや、お金を回収しているなんて……私が一番驚いているに違いない。
けれど、これは好都合。
人々は喜んで、お金を放り込んでくれている。
やがてお金の回収が終わったのか、ギンバトたちは布袋をくわえて私の元へ飛んできた。
すると、村人たちが一斉に私達の元へ駆け寄ってくると次々に質問を投げかけてきた。
「聖女様! お名前を教えてください!」
「どちらからいらしたのですか? ここへは何をしに来たのですか?」
「これから何処へ行くのでしょう!」
「ちょっと待って! 皆さん! 落ち着いて下さい!」
「そんなに一気に話しかけられてもお答えできません!」
ニーナとジャンが私の前に立ちはだかって、人々を静止する。
これは大変な騒ぎになってしまった……かくなる上は、私が出るしか無い。
どうせもう二度とこの村に立ち寄ることは無いのだから、ハッタリを言って人々を落ち着かせなければ。
「皆さん! 私の名前はリアンナと申します。今、供を連れて巡礼の旅をしている最中です。皆様から頂いた寄付金は、旅の資金としてありがたく使わせて頂きます。本当にありがとうございました」
巡礼の旅、という言葉にジャンとニーナは驚きの表情で私を見つめている。
そんな2人に目配せすると、私は続けた。
「私達はこれから海の向こうの大陸を目指して巡礼の旅を続けます。以上が質問の答えになります。それでは先を急ぐので失礼致しますね」
早口で言うと一礼し、私達は逃げるようにその場を後にした――
****
「ふぅ〜……それにしてもすごい騒ぎでしたね……一時はどうなることかと思いましたよ」
宿屋に戻ると、ジャンがため息を付いた。
「ええ、そうね。何だかすごい騒ぎになってしまったわ」
こんな小さな村であれ程の騒ぎになるとは思ってもいなかった。
「どうしますか? これからも今のようにマジックを披露するのですか?」
ニーナが尋ねてくる。
「うん……」
確かに、毎回今日みたいな騒ぎになっては後が大変だ。けれど、旅を続けるにはお金がいる。お金を稼ぐには、やはりマジックショーは必要だ。
「人々は、リアンナ様が聖女だと思って騒ぎになるのですよね……でも、それは無理もないかもしれませんね。本当にマジックは魔法みたいに見えますから」
「……そうだわ! いい考えがある」
ジャンの話を聞いて、ある考えが浮かんだ。
「良い考えって何ですか?」
再びニーナが尋ねる。
「大抵何処の村や町にも神様を信仰する場所ってあるのかしら?」
あえて「神殿」や「教会」と単語は使わずに2人に尋ねてみた。
「ええ。教会なら何処にでもありますよ」
ジャンが返事をする。
「そう! 教会があるのね? だったら、これから教会に許可を取って、そこでマジックショーをさせてもらうのよ! 最初から聖女のフリをして、マジックを披露すれば、大騒ぎになることは無いと思わない?」
「なるほど! それは良い考えですね!」
私の言葉にニーナがパチンと手を叩く。
「確かに、そうですね。人々を騙すには少々気が引けますが……」
ジャンが痛いところをついてくる。
「し、仕方ないじゃない。だって私達にはお金が必要なんだから。そうと決まれば、早速次の町に向かって出発しましょう!」
「「はい!」」
私の言葉に、ジャンとニーナが力強く頷いた――
「リアンナ様……いったいこれはどういうことなのでしょう……?」
「ひょっとして、いつの間にかお金を回収してくるように調教したのですか?」
ニーナとジャンが驚いた様子で私に尋ねてくる。
「まさか! 知らないわよ!」
私にはハトを調教する能力などあるはずない。ましてや、お金を回収しているなんて……私が一番驚いているに違いない。
けれど、これは好都合。
人々は喜んで、お金を放り込んでくれている。
やがてお金の回収が終わったのか、ギンバトたちは布袋をくわえて私の元へ飛んできた。
すると、村人たちが一斉に私達の元へ駆け寄ってくると次々に質問を投げかけてきた。
「聖女様! お名前を教えてください!」
「どちらからいらしたのですか? ここへは何をしに来たのですか?」
「これから何処へ行くのでしょう!」
「ちょっと待って! 皆さん! 落ち着いて下さい!」
「そんなに一気に話しかけられてもお答えできません!」
ニーナとジャンが私の前に立ちはだかって、人々を静止する。
これは大変な騒ぎになってしまった……かくなる上は、私が出るしか無い。
どうせもう二度とこの村に立ち寄ることは無いのだから、ハッタリを言って人々を落ち着かせなければ。
「皆さん! 私の名前はリアンナと申します。今、供を連れて巡礼の旅をしている最中です。皆様から頂いた寄付金は、旅の資金としてありがたく使わせて頂きます。本当にありがとうございました」
巡礼の旅、という言葉にジャンとニーナは驚きの表情で私を見つめている。
そんな2人に目配せすると、私は続けた。
「私達はこれから海の向こうの大陸を目指して巡礼の旅を続けます。以上が質問の答えになります。それでは先を急ぐので失礼致しますね」
早口で言うと一礼し、私達は逃げるようにその場を後にした――
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「ふぅ〜……それにしてもすごい騒ぎでしたね……一時はどうなることかと思いましたよ」
宿屋に戻ると、ジャンがため息を付いた。
「ええ、そうね。何だかすごい騒ぎになってしまったわ」
こんな小さな村であれ程の騒ぎになるとは思ってもいなかった。
「どうしますか? これからも今のようにマジックを披露するのですか?」
ニーナが尋ねてくる。
「うん……」
確かに、毎回今日みたいな騒ぎになっては後が大変だ。けれど、旅を続けるにはお金がいる。お金を稼ぐには、やはりマジックショーは必要だ。
「人々は、リアンナ様が聖女だと思って騒ぎになるのですよね……でも、それは無理もないかもしれませんね。本当にマジックは魔法みたいに見えますから」
「……そうだわ! いい考えがある」
ジャンの話を聞いて、ある考えが浮かんだ。
「良い考えって何ですか?」
再びニーナが尋ねる。
「大抵何処の村や町にも神様を信仰する場所ってあるのかしら?」
あえて「神殿」や「教会」と単語は使わずに2人に尋ねてみた。
「ええ。教会なら何処にでもありますよ」
ジャンが返事をする。
「そう! 教会があるのね? だったら、これから教会に許可を取って、そこでマジックショーをさせてもらうのよ! 最初から聖女のフリをして、マジックを披露すれば、大騒ぎになることは無いと思わない?」
「なるほど! それは良い考えですね!」
私の言葉にニーナがパチンと手を叩く。
「確かに、そうですね。人々を騙すには少々気が引けますが……」
ジャンが痛いところをついてくる。
「し、仕方ないじゃない。だって私達にはお金が必要なんだから。そうと決まれば、早速次の町に向かって出発しましょう!」
「「はい!」」
私の言葉に、ジャンとニーナが力強く頷いた――