無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
5章 5 捕まっちゃった!?
賑やかな食事の後、私達はそれぞれの部屋へと戻った。
シャワーを浴びてスッキリしたところでテーブルに向かった。
テーブルの上にはワインとグラスが置かれている。実はこれはホテルからのプレゼントなのだ。
「お酒を飲むなんて、この世界に来てからはじめだわ」
ワインの栓を開けると、グラスに注ぎ入れた。
うん、綺麗な赤い色をしている。
「では、いただきま〜す」
早速グラスを手にし、飲んでみた。
「……美味しい。何これ。すっごく美味しい!」
余程高級なワインなのかもしれない。今まで私が飲んできたワインの中で一番かも。
夢中でワインを飲み続け……とうとう瓶を空にしてしまった。
「ふ〜美味しかった……アレレ……何だかフワフワするなぁ……?」
久々にお酒を飲んだせいなのか、それともリアンナの身体がお酒に弱いのか分からないが酔いが回ってくる。
「……駄目だ……起きていられない……」
フラフラとベッドに向かい……。
ドサッ! 何かにつまずいて床の上に倒れてしまった。
「ううう……い、痛い……一体何に躓いたのよ……」
よろけながら床を見ると、ウクレレが目に入った。
「え? 嘘。壊れていないよねぇ……?」
起き上がってウクレレを手に取り、じっと見つめる。
「うん……多分大丈夫」
ウクレレを抱えたままベッドに潜り込むと、そのまま私は眠りについた――
****
モゾモゾモゾ……
あれ? 柔らかいベッドの上で寝ていたはずなのに、何でこんなに床みたいに硬いんだろう?
寝てる位置が悪いのかと思って、ごろりと寝返りを打った途端。
ゴンッ!
何かに頭をぶつけてしまった。
「痛ったあ!!」
衝撃で目を開け、自分が床の上に転がっていることに気付いた。しかも見覚えがない天井だ。
「え? ここ、どこ!?」
飛び起き、ここがまるで小屋のような場所だということに気づいた。
「な、何でこんな場所に……」
床も壁も天井も全て板張りの部屋には何一つ物が置かれていない。完全な空き部屋だ。
大きな窓からは太陽の光が差し込んでいる。
眼の前に扉があったので、慌てて駆け寄りノブを掴んだ。
ガチャッ!
「え……? 開かない?」
ガチャッ! ガチャッ!
何度回してもノブが回らずに扉を開けることが出来ない。この瞬間、悟った。
「もしかして私……捕まっちゃった? そんな!」
そこで今度は窓へ駆け寄った。
ここが何処かは分からないけれど、窓からなら逃げ出せるかもしれない。
「そんな……嘘でしょう……?」
窓から外を見て、愕然としてしまった。ずっと真下に海が見える。
感覚的に3階建て以上の高さはありそうだ。ここから海に飛び降りれば、恐らくタダではすまないだろう。
拉致監禁という言葉が頭に浮かぶ。
「私……本当に捕まっちゃんたんだ……」
ヘナヘナと床に座り込んでしまった。
昨夜はワインのせいで、ぐっすり眠ってしまった。自分が誘拐されているのに気づかずに眠っていたなんて……。
「一生の不覚だわ!!」
ニーナ、ジャン、カイン……他の皆はどうしたのだろう? 私だけが捕まってしまったのだろうか? しかも裸足の上に、パジャマワンピースの姿で……。
外へ出ることも出来ず、様子が全く分からない。
「一体ここはどこなの……?」
うずくまったまま、膝を抱えた時。
「あれ?」
床の上にウクレレが転がっていることに気付いた。
「何でウクレレが……あ!」
そう言えば昨夜ベッドに潜り込もうとした時、床の上に落ちていたウクレレにつまづいたんだっけ。
それで壊れていないか確認して、そのまま抱えたままベッドに潜り込んで……。
ここまでが自分の覚えている最後の記憶だ。その先は全く記憶がない。
不安な気持ちを紛らわせるために、ウクレレを拾い上げた時。
ガチャッ!
突然眼の前の扉が開かれた――
シャワーを浴びてスッキリしたところでテーブルに向かった。
テーブルの上にはワインとグラスが置かれている。実はこれはホテルからのプレゼントなのだ。
「お酒を飲むなんて、この世界に来てからはじめだわ」
ワインの栓を開けると、グラスに注ぎ入れた。
うん、綺麗な赤い色をしている。
「では、いただきま〜す」
早速グラスを手にし、飲んでみた。
「……美味しい。何これ。すっごく美味しい!」
余程高級なワインなのかもしれない。今まで私が飲んできたワインの中で一番かも。
夢中でワインを飲み続け……とうとう瓶を空にしてしまった。
「ふ〜美味しかった……アレレ……何だかフワフワするなぁ……?」
久々にお酒を飲んだせいなのか、それともリアンナの身体がお酒に弱いのか分からないが酔いが回ってくる。
「……駄目だ……起きていられない……」
フラフラとベッドに向かい……。
ドサッ! 何かにつまずいて床の上に倒れてしまった。
「ううう……い、痛い……一体何に躓いたのよ……」
よろけながら床を見ると、ウクレレが目に入った。
「え? 嘘。壊れていないよねぇ……?」
起き上がってウクレレを手に取り、じっと見つめる。
「うん……多分大丈夫」
ウクレレを抱えたままベッドに潜り込むと、そのまま私は眠りについた――
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モゾモゾモゾ……
あれ? 柔らかいベッドの上で寝ていたはずなのに、何でこんなに床みたいに硬いんだろう?
寝てる位置が悪いのかと思って、ごろりと寝返りを打った途端。
ゴンッ!
何かに頭をぶつけてしまった。
「痛ったあ!!」
衝撃で目を開け、自分が床の上に転がっていることに気付いた。しかも見覚えがない天井だ。
「え? ここ、どこ!?」
飛び起き、ここがまるで小屋のような場所だということに気づいた。
「な、何でこんな場所に……」
床も壁も天井も全て板張りの部屋には何一つ物が置かれていない。完全な空き部屋だ。
大きな窓からは太陽の光が差し込んでいる。
眼の前に扉があったので、慌てて駆け寄りノブを掴んだ。
ガチャッ!
「え……? 開かない?」
ガチャッ! ガチャッ!
何度回してもノブが回らずに扉を開けることが出来ない。この瞬間、悟った。
「もしかして私……捕まっちゃった? そんな!」
そこで今度は窓へ駆け寄った。
ここが何処かは分からないけれど、窓からなら逃げ出せるかもしれない。
「そんな……嘘でしょう……?」
窓から外を見て、愕然としてしまった。ずっと真下に海が見える。
感覚的に3階建て以上の高さはありそうだ。ここから海に飛び降りれば、恐らくタダではすまないだろう。
拉致監禁という言葉が頭に浮かぶ。
「私……本当に捕まっちゃんたんだ……」
ヘナヘナと床に座り込んでしまった。
昨夜はワインのせいで、ぐっすり眠ってしまった。自分が誘拐されているのに気づかずに眠っていたなんて……。
「一生の不覚だわ!!」
ニーナ、ジャン、カイン……他の皆はどうしたのだろう? 私だけが捕まってしまったのだろうか? しかも裸足の上に、パジャマワンピースの姿で……。
外へ出ることも出来ず、様子が全く分からない。
「一体ここはどこなの……?」
うずくまったまま、膝を抱えた時。
「あれ?」
床の上にウクレレが転がっていることに気付いた。
「何でウクレレが……あ!」
そう言えば昨夜ベッドに潜り込もうとした時、床の上に落ちていたウクレレにつまづいたんだっけ。
それで壊れていないか確認して、そのまま抱えたままベッドに潜り込んで……。
ここまでが自分の覚えている最後の記憶だ。その先は全く記憶がない。
不安な気持ちを紛らわせるために、ウクレレを拾い上げた時。
ガチャッ!
突然眼の前の扉が開かれた――