White Milk
「皆おはよ。ほら、席つけ!」
そう言って騒がしい教室を見回す。
「えー急な話だけど、今日は転校生がいる。」
そう言うと教室の中がいっきに騒がしくなった。
小学生や中学生・高校生にとって、転校生という存在は特別だ。
「圭ちゃん!女!?」
「南先生、だろ?女だよ。」
そう言うと男子たちが一段と騒ぎ始めた。
俺はまだ25才ということもあって、良い意味で生徒たちから親しまれている。
だからといって「圭ちゃん」と呼ばれるのはいただけないな、と思いつつ注意してもあいつらが気にしないことはもう十分すぎるくらい分かっていた。
それにしても、とまだ騒いでいる生徒たちを見る。
高校生って本当に若いよなあ。
俺にもあんな時期があったと思うと笑えてくる。
まあ俺は騒がしいタイプじゃなかったけどな。
その代わりと言ってはなんだけど、女に関しては褒めたもんじゃなかった。
ふと生徒たちに意識を戻すと、もう騒ぐのに満足したらしい生徒たちが期待した目で俺を見ていた。
「あーうん。じゃあ紹介する。」
そう言って歩いていき教室の扉を開けると、不安そうにこっちを見ている美亜と目が合った。