White Milk
まあ、もちろん静かなやつもいるし、妙に大人びてるやつもいる。
特に瀬野孝介(セノ コウスケ)。
考え方がしっかりしてて、そして頭も良ければスポーツもできる。
そして何より顔が良い。
いわゆる“イケメン”って呼ばれる類の人間だ。
少し無口なところがあって女子とは必要以上に話さないが、それがまた良い。
とクラスの女子に熱弁されたことがある。
まあ、確かに俺から見ても顔は良い。
それに背が高いからな。
高校くらいの女子なんて、背が高くて少し顔が良ければそれだけでカッコよくなんだ。
俺もきっとそれに当てはまってたんだ。
背が高い。
ただそれだけ。
チラっと目をやれば孝介は男子たちと楽しそうに談笑していた。
もちろん手なんて挙げてない。
ま、そんなもんだよな。
「うん。じゃー孝介。」
「っは?」
驚いたように俺を見る。
「孝介。今の時間はわざわざ俺の授業を潰してつくった“交流会”だ。お前も参加しろ。」
「ちょっと南!俺じゃなくても皆手挙げてんだろ?」
「南先生だろ。それに敬語くらい使え。ほら、はやく質問。」
なんで俺なんだよ、と文句を言う孝介を急かす。