青は弾けて消えないで
あのとき、意図せず私の公開告白となってしまった。
あれでは青磁くんが何を言っても、私がフラれたみたいになってしまう。
だから青磁くんは、私のためにあんな嘘をついたんだ。
私をかばうために、私のことを好きだと言ってくれた。
……それだけのこと。
飲み干したラムネの瓶を傾けると、中でビー玉がコロリと動いた。
ビー玉だけが残された瓶を、きらめく陽光にかざす。
透明な青の先にどこまでも広がる、もっともっと青い空。
どこにいたって空は繋がっているなんて言葉をきいたことがあるけれど、私は空を飛べるわけじゃない。
「きれいだね」
「あっ、う、うん……小さい頃から、好きだったの。ビー玉とか、瓶とか」
「そうなんだ……じゃあさ、あそこ行ってみない?」
青磁くんが指さした先には、『吹きガラス体験』の文字が刻まれた看板。
そこには小さなガラス工房があるようだ。
「行きたいっ!」
思わず身を乗り出して言うと、青磁くんに笑われた。
「じゃ、行こ」
青磁くんは私より先に立ち上がり、私の手を取った。
それからあまりにも自然に手を繋いで、まるで本当の恋人同士になれたような気分だった。
そんな気持ちになればなるほど、終わることがつらいのに。
胸の高鳴りと痛みを同時に感じながら、青磁くんの歩みについていくのに精いっぱいだった。