君と最後の夜の花

「次に来る時は納得して頂けるよう頑張ります!本日はありがとうございました!」


「こちらこそ、ありがとうございました!それから美海ちゃん、俺はあの時美海ちゃんが嫌いで振った訳じゃないし、好きな人が出来た訳でもないから。またね!」


最後にそれだけ残し、上司らしい人に呼ばれた彼はさっさと行ってしまった。
嫌いで振ったわけじゃない、?どういう事??
好きだった、ってこと?

途端に身体中が熱くなる。
私は当時彼が大好きだった。しかし振られたことで嫌われたのか、他に好きな人が出来たものだと思っていた。

嬉しいという感情が湧き上がると同時に心臓がドクドクと脈を打つのを感じた。

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