エーアイオアノット
始まり
28◯※年、地球上の人類は
昔からの生身の肉体を重んじるカーネス・ホモ・サピエンスと
生身の肉体を捨て、コンピューターに委ねつつあるAI(エーアイ)・ホモ・サピエンスとに
二分されつつあった
「じゃあ、行って来るよ。お母さん。」
ミホトは家を出た。
外の空気は冷たい。家電店のガラス窓から、天気予報が流れている。『東京の明日の最高気温は2度、最低気温はマイナス14度。』AIロボットの気象予報士がそう告げると、AI・ホモ・サピエンスのアナウンサーが、『AIの体を持っていない方にとっては、寒さが厳しいかも知れませんね。』と伝えている。
近年、この地球上では、エネルギーの枯渇問題や核廃棄物問題は、半ば解決しつつある。日本を中心に新たなエネルギー開発、核開発に挑んだからである。21世紀に開発された、新ウラン(燃料)利用法※である。
ミホトが、通りに面した
酒と肴の店「きらく」
という店に入った。カウンター越しに
「おじさん、柚子酒、お湯割りで」
「はいよ」
ミホトが柚子酒をすすりながら店内を見やると
奥で
「氷河期なんて、怖くないさ」
「へえ、嫌だね。氷河期」
「嫌って言ったって、来るモンは仕方無いよ」
「俺、寒いの苦手っす」
「こうなったら、新たな氷河期ビジネスを云々」
大人たちは躍起だ
※新ウラン(燃料)利用法
ウラン燃料を燃やさず一旦冷却、冷凍し、それが溶解する時に発生するエネルギーを利用して発電を行う。という方法で、この方法だと同じウラン燃料を何度も利用する事が出来る。よって放射性物質も最小限に抑えられる上に、核のゴミも出無い。
昔からの生身の肉体を重んじるカーネス・ホモ・サピエンスと
生身の肉体を捨て、コンピューターに委ねつつあるAI(エーアイ)・ホモ・サピエンスとに
二分されつつあった
「じゃあ、行って来るよ。お母さん。」
ミホトは家を出た。
外の空気は冷たい。家電店のガラス窓から、天気予報が流れている。『東京の明日の最高気温は2度、最低気温はマイナス14度。』AIロボットの気象予報士がそう告げると、AI・ホモ・サピエンスのアナウンサーが、『AIの体を持っていない方にとっては、寒さが厳しいかも知れませんね。』と伝えている。
近年、この地球上では、エネルギーの枯渇問題や核廃棄物問題は、半ば解決しつつある。日本を中心に新たなエネルギー開発、核開発に挑んだからである。21世紀に開発された、新ウラン(燃料)利用法※である。
ミホトが、通りに面した
酒と肴の店「きらく」
という店に入った。カウンター越しに
「おじさん、柚子酒、お湯割りで」
「はいよ」
ミホトが柚子酒をすすりながら店内を見やると
奥で
「氷河期なんて、怖くないさ」
「へえ、嫌だね。氷河期」
「嫌って言ったって、来るモンは仕方無いよ」
「俺、寒いの苦手っす」
「こうなったら、新たな氷河期ビジネスを云々」
大人たちは躍起だ
※新ウラン(燃料)利用法
ウラン燃料を燃やさず一旦冷却、冷凍し、それが溶解する時に発生するエネルギーを利用して発電を行う。という方法で、この方法だと同じウラン燃料を何度も利用する事が出来る。よって放射性物質も最小限に抑えられる上に、核のゴミも出無い。
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