エーアイオアノット
日々実々
高校三年生の夏を迎えるかぐらいの時
僕の通う高校は、カーネス禁止になった
法律上、四国の高校に転入学する形になった

小島が
「僕、柏木君と離れ離れになるのは嫌かな」
「リオ、僕、高校変わったら、多分卒業出来ないと思う」
「それは良くないね」
「…」
「僕、ちょっと待ってね。お父さんの知り合いに、法律に詳しい人が居るから掛け合ってみるよ」

数日後
「柏木君、一つだけ方法が有る事が分かったよ
柏木君のお父さんもしくはお母さん
どちらかが5%でもAIって事が証明出来れば、この高校に通い続ける事が出来るんだけど」
「5%…」
「ごめんね」
「いやリオが謝らなくても」
「ごめん」
「リオありがとう」
「医者ならAI証明っていうのが書けるらしいんだけどね」
「わーった」
「うん」

リオの気持ちも分かる
でも
僕は、考えた
5%のAI
それが
有るとか無いとか、では無く

有るから正しい

そう決め付ける危険
そんな直感だった
大丈夫なのかなリオは

いいよ
僕は大丈夫

政府の人間だって
AIパーセンテージがどんどん上がって
いずれこうなる事は分かってた

いいよ
僕は大丈夫
僕はリオとは別の道を歩む

そういう覚悟だ


「四国行くよ、また連絡する」

リオには、そう言い残して僕は東京の高校を立ち去った

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