浮気をした王太子はいりません。〜離縁をした元王太子妃は森の奥で、フェンリルパパと子供と幸せに暮らします。
14
カランコロン。
真鍮製のドアベルが鳴り、甘いケーキとコーヒーの香りが鼻をくすぐった。外観もさることながら店内も木製造で可愛く、落ちつける空間のケーキ屋さん。
元々と、ここは大人達の社交場だったローレルの喫茶店だった、この店の後を継いだ料理好きの2代目の店主が、もっと女性と子供のお客様が欲しいと嘆いていた。
それは、近くに広場ができて親子連れが増えたからだ。私は前世の記憶を生かしてゆったりできるソファ、店の雰囲気を変えて、軽食とケーキを出せる店にしてはと提案した。
――そうして出来たのがローレルのケーキ屋。
初めは「大人の社交場に子供入れるな!」と文句を言う人もいたけど、多くの子供を持つ女性に受け入れてもらえた。
(まぁ店主が作る料理と、ケーキが絶品だったのもあるのだけど)
「いらっしゃいませ、3名様ですか? お好きな席にどうぞ」
私達は窓際の席に座り、大好きな苺のケーキ3つ、ホットミルク2つ、紅茶を注文した。注文を終えるとチェルは頬を赤らめ膝の上に小さな手を置き、苺のケーキが届くのをワクワクしながら待っている。
(チェルったら、大好きなケーキがくるのを持ってワクワクしいるわ……フフ、シシもだけど)
「お待たせしました、ご注文の品です」
「ありがとう」
テーブルの上に運ばれた苺のケーキを見て、チェルはフォークを持ち、満面の笑みを浮かべた。
「苺のケーキ!」
食べるまえの挨拶を忘れて、好きな苺をフォークにさして、パクンと口いっぱいにほおばった。
「おいしぃ〜」
「あら? チェル"いただきます"の挨拶はした?」
「……あ! モグモグ、ゴクン……忘れてた」
「あ、ボクもだ」
シシの、てっぺんの苺もお口に消えていた。
(2人とも、か、可愛いィィーー! 手元にスマホが無いのが悔やまれる!)
「ママ、イチゴ食べちゃったけど。い、いただきます!」
「……アーシャ、ボクも、いただきます」
「はい、いただきます」
ここの苺のケーキ、フワフワ生地に生クリームたっぷりでいつ食べても美味しい。似たもの親子は口の周りにクリームを付けながら、苺のケーキをモクモク食べている。
至福だわ。
「ねぇママ、ママは苺のケーキ食べないの?」
「食べないのか?」
「え? 食べていますよ……まあ、2人とも食べ終えたのね。もう一つ頼む?」
「「うん、頼む!」」
可愛いチェルとシシの2人とゆったり過ごす、午後のひとときと、苺のケーキと紅茶で心はほっこりした。
このひとときが続くといい……
「⁉︎」
「ん?」
私とシシは大きな物音を聞き、店の窓から外を覗くと同時に、ガランゴロンと乱暴にケーキ屋の扉が開いた。
真鍮製のドアベルが鳴り、甘いケーキとコーヒーの香りが鼻をくすぐった。外観もさることながら店内も木製造で可愛く、落ちつける空間のケーキ屋さん。
元々と、ここは大人達の社交場だったローレルの喫茶店だった、この店の後を継いだ料理好きの2代目の店主が、もっと女性と子供のお客様が欲しいと嘆いていた。
それは、近くに広場ができて親子連れが増えたからだ。私は前世の記憶を生かしてゆったりできるソファ、店の雰囲気を変えて、軽食とケーキを出せる店にしてはと提案した。
――そうして出来たのがローレルのケーキ屋。
初めは「大人の社交場に子供入れるな!」と文句を言う人もいたけど、多くの子供を持つ女性に受け入れてもらえた。
(まぁ店主が作る料理と、ケーキが絶品だったのもあるのだけど)
「いらっしゃいませ、3名様ですか? お好きな席にどうぞ」
私達は窓際の席に座り、大好きな苺のケーキ3つ、ホットミルク2つ、紅茶を注文した。注文を終えるとチェルは頬を赤らめ膝の上に小さな手を置き、苺のケーキが届くのをワクワクしながら待っている。
(チェルったら、大好きなケーキがくるのを持ってワクワクしいるわ……フフ、シシもだけど)
「お待たせしました、ご注文の品です」
「ありがとう」
テーブルの上に運ばれた苺のケーキを見て、チェルはフォークを持ち、満面の笑みを浮かべた。
「苺のケーキ!」
食べるまえの挨拶を忘れて、好きな苺をフォークにさして、パクンと口いっぱいにほおばった。
「おいしぃ〜」
「あら? チェル"いただきます"の挨拶はした?」
「……あ! モグモグ、ゴクン……忘れてた」
「あ、ボクもだ」
シシの、てっぺんの苺もお口に消えていた。
(2人とも、か、可愛いィィーー! 手元にスマホが無いのが悔やまれる!)
「ママ、イチゴ食べちゃったけど。い、いただきます!」
「……アーシャ、ボクも、いただきます」
「はい、いただきます」
ここの苺のケーキ、フワフワ生地に生クリームたっぷりでいつ食べても美味しい。似たもの親子は口の周りにクリームを付けながら、苺のケーキをモクモク食べている。
至福だわ。
「ねぇママ、ママは苺のケーキ食べないの?」
「食べないのか?」
「え? 食べていますよ……まあ、2人とも食べ終えたのね。もう一つ頼む?」
「「うん、頼む!」」
可愛いチェルとシシの2人とゆったり過ごす、午後のひとときと、苺のケーキと紅茶で心はほっこりした。
このひとときが続くといい……
「⁉︎」
「ん?」
私とシシは大きな物音を聞き、店の窓から外を覗くと同時に、ガランゴロンと乱暴にケーキ屋の扉が開いた。