浮気をした王太子はいりません。〜離縁をした元王太子妃は森の奥で、フェンリルパパと子供と幸せに暮らします。
23
シシとチェル、モコモコオオカミでルーレンズの森に向かい。モコモコオオカミの長と会い、私が精霊の土地に入れないか話をしてくると言った。
「気を付けてね。チェル、パパの言うことをちゃんと聞くのよ」
「うん、いってきます」
「アーシャ、長との話が長くなりそうだったら、フクロウを飛ばすよ」
「ええ、お願いね」
モコモコオオカミはチェルの側から、トコトコ私の足下に来て。
「キュ、キュ」
と鳴いた。
それを聞いた、チェルが通訳してくれる。
「ママ「ボクもがんばる」って言っているよ」
「そうなの、ありがとうチェル。あなたも無理せず、がんばってね」
「キュ――!」
「みんな、気を付けてね!」
シシの背に乗って、ルーレンズの森に向かう、みんなを見送った。
――五年もの間、聖職者たちは何をしていたの? 憤り(いきどおり)を感じる。
私が離縁をして王族から去り。五年間も放置され、浄化されずにいた、国の森に瘴気が溢れだした。そして今、精霊モコモコオオカミの住処まで、瘴気が溢れだしてしまった。これは一大事。一刻も早く浄化の旅に出ないと、森に住むものすべての、かわいい動物までもが魔物になってしまう。
「先に、浄化の旅にでた方がいいわ」
私は冒険者ギルドに「明日の午後にでも話ができませんか」と書いた手紙をフクロウで送り。使っていない木箱に空間魔法をかけて、無限ボックスを作った。この無限ボックスに、ギルドで買い取った魔物をしまってもらえばいい。
ボックスの中に入れた魔物の肉は風化せず、たくさんの魔物もしまえて、状態も入れたときのまま保たれる。この無限ボックスはそれほど大きくない木箱だから、ギルドに置いても邪魔にもならないだろう。
問題は魔物の買い取り金だ。買い取り額は冒険者ギルドに決めてもらい、料金も出してもらうか。彼らが無理だと言ったら、どうせ魔物肉を買い取るのは私だし、私の資金を提供しよう。
時刻は夕方、夕食を作っていた私の元に。冒険者ギルドから、フクロウが返信の手紙を持って帰ってきた。その手紙を開くと"明日の午後三時に来てください"と手紙には書いてあった。
……ギルドに、明日の三時ね。
私は明日持って行くポーションと無限ボックス。シシとチェルの食事も帰ってきたら出せるように、アイテムボックスにしまった。
夕食をとったあと私は部屋に戻り、本棚から一冊の本を取り、ペラペラとめくった。
(私が王太子妃の頃は、他国の聖職者の歴史書を書庫で読んだものね。他国はアウスターと他国の違い……)
東の国スローでは聖女が毎年、聖地巡礼をして土地を浄化していた。
南の国ランダでは各地の教会に国が派遣する聖女がおり、無償で国民のケガを治し、土地を浄化している。
他の国も巫女、聖女という職業があると書いてあった。
アウスターでも、十歳になった人々は貴族、国民に限らず魔力測定をするが、魔力量の多い者しか優遇されない。
これが貴族ならば魔力量が多い、少なくても王都学園で、家で家庭教師から習えるが。平民は魔力があろうがなかろうが、学園で魔力について教える者がいない。
基礎から習えば、能力が開花する者もいるはず。平民が通う学園でも、魔力の使い方を習わせたいと願ったが。「平民に魔力の使い方だと? アーシャ妃はおかしなことを考える」ルールリア王太子殿下の一言で貴族たちに笑われて、その話はなくなってしまった。
(向上心のある者を育てれば聖職者となり、浄化魔法を使える者がいたかもしれないのに……)
私はため息をつき、手にした本を本棚に戻した後。王太子妃のとき、浄化を行なった国中の森の箇所を詳しく書いた雑記帳を開いた。
「気を付けてね。チェル、パパの言うことをちゃんと聞くのよ」
「うん、いってきます」
「アーシャ、長との話が長くなりそうだったら、フクロウを飛ばすよ」
「ええ、お願いね」
モコモコオオカミはチェルの側から、トコトコ私の足下に来て。
「キュ、キュ」
と鳴いた。
それを聞いた、チェルが通訳してくれる。
「ママ「ボクもがんばる」って言っているよ」
「そうなの、ありがとうチェル。あなたも無理せず、がんばってね」
「キュ――!」
「みんな、気を付けてね!」
シシの背に乗って、ルーレンズの森に向かう、みんなを見送った。
――五年もの間、聖職者たちは何をしていたの? 憤り(いきどおり)を感じる。
私が離縁をして王族から去り。五年間も放置され、浄化されずにいた、国の森に瘴気が溢れだした。そして今、精霊モコモコオオカミの住処まで、瘴気が溢れだしてしまった。これは一大事。一刻も早く浄化の旅に出ないと、森に住むものすべての、かわいい動物までもが魔物になってしまう。
「先に、浄化の旅にでた方がいいわ」
私は冒険者ギルドに「明日の午後にでも話ができませんか」と書いた手紙をフクロウで送り。使っていない木箱に空間魔法をかけて、無限ボックスを作った。この無限ボックスに、ギルドで買い取った魔物をしまってもらえばいい。
ボックスの中に入れた魔物の肉は風化せず、たくさんの魔物もしまえて、状態も入れたときのまま保たれる。この無限ボックスはそれほど大きくない木箱だから、ギルドに置いても邪魔にもならないだろう。
問題は魔物の買い取り金だ。買い取り額は冒険者ギルドに決めてもらい、料金も出してもらうか。彼らが無理だと言ったら、どうせ魔物肉を買い取るのは私だし、私の資金を提供しよう。
時刻は夕方、夕食を作っていた私の元に。冒険者ギルドから、フクロウが返信の手紙を持って帰ってきた。その手紙を開くと"明日の午後三時に来てください"と手紙には書いてあった。
……ギルドに、明日の三時ね。
私は明日持って行くポーションと無限ボックス。シシとチェルの食事も帰ってきたら出せるように、アイテムボックスにしまった。
夕食をとったあと私は部屋に戻り、本棚から一冊の本を取り、ペラペラとめくった。
(私が王太子妃の頃は、他国の聖職者の歴史書を書庫で読んだものね。他国はアウスターと他国の違い……)
東の国スローでは聖女が毎年、聖地巡礼をして土地を浄化していた。
南の国ランダでは各地の教会に国が派遣する聖女がおり、無償で国民のケガを治し、土地を浄化している。
他の国も巫女、聖女という職業があると書いてあった。
アウスターでも、十歳になった人々は貴族、国民に限らず魔力測定をするが、魔力量の多い者しか優遇されない。
これが貴族ならば魔力量が多い、少なくても王都学園で、家で家庭教師から習えるが。平民は魔力があろうがなかろうが、学園で魔力について教える者がいない。
基礎から習えば、能力が開花する者もいるはず。平民が通う学園でも、魔力の使い方を習わせたいと願ったが。「平民に魔力の使い方だと? アーシャ妃はおかしなことを考える」ルールリア王太子殿下の一言で貴族たちに笑われて、その話はなくなってしまった。
(向上心のある者を育てれば聖職者となり、浄化魔法を使える者がいたかもしれないのに……)
私はため息をつき、手にした本を本棚に戻した後。王太子妃のとき、浄化を行なった国中の森の箇所を詳しく書いた雑記帳を開いた。