浮気をした王太子はいりません。〜離縁をした元王太子妃は森の奥で、フェンリルパパと子供と幸せに暮らします。
43
精霊のお手紙とは。遠く離れた土地に住む精霊に「元気か?」「楽しくやっているか?」「何か面白いことないか」など精霊が精霊に送るお手紙のこと。
いま届いた、モコモコオオカミのナナちゃんからのお手紙は。
『精霊の地に住む、みんなを助けてくれてありがとう。お父さんとお母さんもこれで静かに眠れます。チェルのお父さん、お母さんにお願いがあります。わたし、チェルとお友達になりたいです。お手紙の交換をしたいです。』
と。シシはナナちゃんからのお礼と、チェルへのお手紙を読んでくれた。チェルはウンウン頷き。「ボクも、ナナちゃんとお友達になりたい」「ナナちゃんにお手紙、書きたい」初めてのお手紙に興奮して両手を握り、頬を赤らめた。
(チェルにとって、初めてのお友達ね)
私たちは、私の都合で魔物がでるカサロの森に住んでいる。そのため、チェルは同年代の子供と出会う機会がないし。チェルは子供ながら思うことがあるのか、シシカバの街で同じくらいの子供をみても、私とシシにお友達が欲しいと言わなかった。
それではいけないと、私は両親、シシと話し合い。チェルが7歳になったら家庭教師をつけるか。シシカバの学校へ通わすかと話し合いをしている。
――ナナちゃんとのお手紙のやり取りは、私にとってもうれしい出来事。
「チェル、よかったわね。ナナちゃんにお手紙返さないとね」
「うん! ボク、ナナちゃんにお手紙返したい」
「わかった、いま紙とペンを持ってくるわ」
食卓でチェルは持ってきた紙に言葉を選びながら、ナナちゃん宛の手紙を書いている。このお手紙を書くことによって、チェルが文字を書く勉強になる。
二人は言葉で通じ合うことができるけど、文字となると変わってくるだろう。シシはチェルの手紙をみながら、ナナちゃんのお手紙の下に、私たち宛てた長からの手紙を読んでくれた。その内容は、ナナちゃんはいま両親を失ったショックで、言葉を話せなくなったと書かれていた。
今回のチェルとのお手紙のやり取りで、ナナちゃんの心が癒されて。いつか言葉を話して欲しい。長の願いでがあるのかもしれない。
ナナちゃんとチェルのお手紙の通訳は。精霊の文字、アウスター国の文字が読めるシシと、ナナちゃんのお爺さん、モコモコオオカミの長がするのだろうか。
「シシ、手紙の通訳はどうするの?」
「その事について、明日のお昼過ぎに精霊の地へ向かい、長と詳しい話をしようと思う。ボクたちはもうすぐ旅に出るだろう、その間のお手紙のやりとりの仕方も相談してくるよ」
「シシ、ありがとう。私たちが旅に出て、滞在している場所がわかるといいわね」
「ああ、それなんだけど……」
シシはチェルとナナちゃん、お互いの魔力がわかればいいんじゃないかな、と話した。その話に私は目を丸くする。いくら魔力の高いシシと私でも、遠く離れた誰かの、魔力を感知するのは難しい。
「そんなの、むずかしいわ」
「むずかしいよね。だから、チェルのケンゾクにナナちゃんがなるか。ナナちゃんの魔力石と、チェルの魔力石を交換すればなんとかならないかな?」
「ケンゾク(従者)にするか。お互いの魔力を込めた、魔力石の交換かぁ。なかなか面白い考えね」
「だろう。さっそく長に『明日の午後』精霊の地へ行くと伝えてくるよ」
シシがフェンリルの姿に変わり外に出ていった。
前、ボクが他のモノに用事を伝えるとき、魔力を込めた遠吠えだと……圧力をかけるみたいで、みんなが怖がるからやりたくないと言っていた。
息子、チェルのために頑張ってくれるシシに、夕飯は好きな唐揚げを作ろうと決めた。
いま届いた、モコモコオオカミのナナちゃんからのお手紙は。
『精霊の地に住む、みんなを助けてくれてありがとう。お父さんとお母さんもこれで静かに眠れます。チェルのお父さん、お母さんにお願いがあります。わたし、チェルとお友達になりたいです。お手紙の交換をしたいです。』
と。シシはナナちゃんからのお礼と、チェルへのお手紙を読んでくれた。チェルはウンウン頷き。「ボクも、ナナちゃんとお友達になりたい」「ナナちゃんにお手紙、書きたい」初めてのお手紙に興奮して両手を握り、頬を赤らめた。
(チェルにとって、初めてのお友達ね)
私たちは、私の都合で魔物がでるカサロの森に住んでいる。そのため、チェルは同年代の子供と出会う機会がないし。チェルは子供ながら思うことがあるのか、シシカバの街で同じくらいの子供をみても、私とシシにお友達が欲しいと言わなかった。
それではいけないと、私は両親、シシと話し合い。チェルが7歳になったら家庭教師をつけるか。シシカバの学校へ通わすかと話し合いをしている。
――ナナちゃんとのお手紙のやり取りは、私にとってもうれしい出来事。
「チェル、よかったわね。ナナちゃんにお手紙返さないとね」
「うん! ボク、ナナちゃんにお手紙返したい」
「わかった、いま紙とペンを持ってくるわ」
食卓でチェルは持ってきた紙に言葉を選びながら、ナナちゃん宛の手紙を書いている。このお手紙を書くことによって、チェルが文字を書く勉強になる。
二人は言葉で通じ合うことができるけど、文字となると変わってくるだろう。シシはチェルの手紙をみながら、ナナちゃんのお手紙の下に、私たち宛てた長からの手紙を読んでくれた。その内容は、ナナちゃんはいま両親を失ったショックで、言葉を話せなくなったと書かれていた。
今回のチェルとのお手紙のやり取りで、ナナちゃんの心が癒されて。いつか言葉を話して欲しい。長の願いでがあるのかもしれない。
ナナちゃんとチェルのお手紙の通訳は。精霊の文字、アウスター国の文字が読めるシシと、ナナちゃんのお爺さん、モコモコオオカミの長がするのだろうか。
「シシ、手紙の通訳はどうするの?」
「その事について、明日のお昼過ぎに精霊の地へ向かい、長と詳しい話をしようと思う。ボクたちはもうすぐ旅に出るだろう、その間のお手紙のやりとりの仕方も相談してくるよ」
「シシ、ありがとう。私たちが旅に出て、滞在している場所がわかるといいわね」
「ああ、それなんだけど……」
シシはチェルとナナちゃん、お互いの魔力がわかればいいんじゃないかな、と話した。その話に私は目を丸くする。いくら魔力の高いシシと私でも、遠く離れた誰かの、魔力を感知するのは難しい。
「そんなの、むずかしいわ」
「むずかしいよね。だから、チェルのケンゾクにナナちゃんがなるか。ナナちゃんの魔力石と、チェルの魔力石を交換すればなんとかならないかな?」
「ケンゾク(従者)にするか。お互いの魔力を込めた、魔力石の交換かぁ。なかなか面白い考えね」
「だろう。さっそく長に『明日の午後』精霊の地へ行くと伝えてくるよ」
シシがフェンリルの姿に変わり外に出ていった。
前、ボクが他のモノに用事を伝えるとき、魔力を込めた遠吠えだと……圧力をかけるみたいで、みんなが怖がるからやりたくないと言っていた。
息子、チェルのために頑張ってくれるシシに、夕飯は好きな唐揚げを作ろうと決めた。