浮気をした王太子はいりません。〜離縁をした元王太子妃は森の奥で、フェンリルパパと子供と幸せに暮らします。
46
唐揚げの夕飯後。チェルはお父様とお母様――お爺ちゃんとお婆ちゃんもお手紙と似顔絵を描き。明日の午後はナナちゃんに会えると、お風呂をすませて、ベッドでグッスリ眠っている。
(お風呂の中と、眠りにつくまでナナちゃんの話をしていたから、明日あえるのが嬉しいのね)
シシはいまお風呂で私は寝室で、麻生地で作られた着なくなった服を使い、ポプリを入れる巾着袋を作っていた。まず人数分に切った、麻生地にルナールの花の刺繍をする。
――花の刺繍が終わったら、巾着袋を縫えばポプリ袋の完成ね。やっぱり刺繍は楽しい。昔から刺繍は好きでハンカチ、古くなったドレス、カバンなど、時間を見つけてよく刺繍をしたわね。
楽しくて時間を忘れて黙々と刺繍をしていた私に、お風呂から、タオルでガシガシ髪を拭きながら戻ってきたシシは。
「アーシャ、まだやっていたの?」
と声をかけた。
それに私は刺繍をしながら答える。
「うん。この刺繍が終わったら、あと巾着袋を縫えば終わりよ」
「そう? でもアーシャは、そのポプリに防御特化を付与するだろう? 魔力回復する?」
自分の方を向かず刺繍をする私の側に来て、シシが頬にスリスリした。お風呂上がりのシシから、フワリとラベンダーの石鹸の香りがした。さっきジャムと砂糖漬けに付与をして、今は魔力が足らず。そのシシの香りにうっとりして、擦り寄ってしまう。
「じゃ作業は終わりにして、ボクに甘えなさい」
「……うん、甘える」
「いい答えだね。たくさん甘えさせてあげる」
シシにお姫様抱っこで、ベッドへと運ばれた。
翌日、魔力回復した私はまんまるな巾着袋を縫い、ルナールの花のポプリを作り、付与魔法で防御特化を付与した。
「フウッ、出来た。コレがナナちゃんと長さん用で、こっちがお父様とお母様。残りは私たちのね」
「かわいい花の刺繍だね。アーシャ、なかなか良いものだ」
「いいものだ! ママ、いい香りがする」
「えぇ、いい香りね。シシとチェルがたくさんのルナールの花を、採ってきてくれたおかげよ。ありがとう」
「「どういたしまして」」
昼食のあと、シシとチェルはルーレンズの森の奥にある、精霊の地へいく準備をはじめた。
「ママ、ボクのマジックバッグ出して」
「わかったけど……チェル。そのお気に入りの、フェンリルのぬいぐるみも持っていくの?」
「うん、ナナちゃんにボクの宝物を見せてあげる」
(チェルのマジックバッグを持ってきて、お手紙の返事とぬいぐるみを入れた。シシのマジックバッグには作ったジャム、砂糖漬け、ポプリをしまって。あとは……)
「なぁ、アーシャ」
「なに?」
シシとはルーレンズの森の近くの、タチカの村で売っている卵と牛乳、砂糖で作ったトロっとやわらかいカスタードクリームが、サクサクのタルト生地に流され焼かれたお菓子、フランをお土産に買いたいと言った。
「え、フランを買って持っていきたい? いいわね」
「それでさ。ウチ用にもフランを買っていい?」
(ウチ用? ……ああ)
「フフ、シシはそのお菓子が好きだものね。チェルと私も好きだからいいわよ。そうだ、お父様とお母様に送る分も買ってきて欲しいわ」
「まかせて」
「すぐ、二人の服も準備するわね」
タチカの村に寄る、シシとチェルの服とお買い物用のお財布をマジックバッグにしまい、出掛ける準備は終わった。
「シシ、チェル、気を付けてね」
「「いってきます!」」
お揃いのマジックバッグを掛け、フェンリル姿になった二人を見送った。
(お風呂の中と、眠りにつくまでナナちゃんの話をしていたから、明日あえるのが嬉しいのね)
シシはいまお風呂で私は寝室で、麻生地で作られた着なくなった服を使い、ポプリを入れる巾着袋を作っていた。まず人数分に切った、麻生地にルナールの花の刺繍をする。
――花の刺繍が終わったら、巾着袋を縫えばポプリ袋の完成ね。やっぱり刺繍は楽しい。昔から刺繍は好きでハンカチ、古くなったドレス、カバンなど、時間を見つけてよく刺繍をしたわね。
楽しくて時間を忘れて黙々と刺繍をしていた私に、お風呂から、タオルでガシガシ髪を拭きながら戻ってきたシシは。
「アーシャ、まだやっていたの?」
と声をかけた。
それに私は刺繍をしながら答える。
「うん。この刺繍が終わったら、あと巾着袋を縫えば終わりよ」
「そう? でもアーシャは、そのポプリに防御特化を付与するだろう? 魔力回復する?」
自分の方を向かず刺繍をする私の側に来て、シシが頬にスリスリした。お風呂上がりのシシから、フワリとラベンダーの石鹸の香りがした。さっきジャムと砂糖漬けに付与をして、今は魔力が足らず。そのシシの香りにうっとりして、擦り寄ってしまう。
「じゃ作業は終わりにして、ボクに甘えなさい」
「……うん、甘える」
「いい答えだね。たくさん甘えさせてあげる」
シシにお姫様抱っこで、ベッドへと運ばれた。
翌日、魔力回復した私はまんまるな巾着袋を縫い、ルナールの花のポプリを作り、付与魔法で防御特化を付与した。
「フウッ、出来た。コレがナナちゃんと長さん用で、こっちがお父様とお母様。残りは私たちのね」
「かわいい花の刺繍だね。アーシャ、なかなか良いものだ」
「いいものだ! ママ、いい香りがする」
「えぇ、いい香りね。シシとチェルがたくさんのルナールの花を、採ってきてくれたおかげよ。ありがとう」
「「どういたしまして」」
昼食のあと、シシとチェルはルーレンズの森の奥にある、精霊の地へいく準備をはじめた。
「ママ、ボクのマジックバッグ出して」
「わかったけど……チェル。そのお気に入りの、フェンリルのぬいぐるみも持っていくの?」
「うん、ナナちゃんにボクの宝物を見せてあげる」
(チェルのマジックバッグを持ってきて、お手紙の返事とぬいぐるみを入れた。シシのマジックバッグには作ったジャム、砂糖漬け、ポプリをしまって。あとは……)
「なぁ、アーシャ」
「なに?」
シシとはルーレンズの森の近くの、タチカの村で売っている卵と牛乳、砂糖で作ったトロっとやわらかいカスタードクリームが、サクサクのタルト生地に流され焼かれたお菓子、フランをお土産に買いたいと言った。
「え、フランを買って持っていきたい? いいわね」
「それでさ。ウチ用にもフランを買っていい?」
(ウチ用? ……ああ)
「フフ、シシはそのお菓子が好きだものね。チェルと私も好きだからいいわよ。そうだ、お父様とお母様に送る分も買ってきて欲しいわ」
「まかせて」
「すぐ、二人の服も準備するわね」
タチカの村に寄る、シシとチェルの服とお買い物用のお財布をマジックバッグにしまい、出掛ける準備は終わった。
「シシ、チェル、気を付けてね」
「「いってきます!」」
お揃いのマジックバッグを掛け、フェンリル姿になった二人を見送った。