浮気をした王太子はいりません。〜離縁をした元王太子妃は森の奥で、フェンリルパパと子供と幸せに暮らします。
4
流れだした悲しみの涙は止まらず。
昔の思い出が脳裏に浮かんだ。
ここアウスターには魔法があり。
大昔、大賢者ローサが住んでいたと伝えられる国。魔力を多く持つものが良い職につける国でもある為、住む者のすべて魔力鑑定を行う義務があった。
私が十歳のとき教会で受けた魔力鑑定で、他の者と比べられない位の魔力量保持者だと分かり、そくルールリア殿下の婚約者に選ばれた。
(この力を、当時の私は神様からの贈り物だと思っていたわ)
みんなの為に、この神様から貰った力を強化しなくてはと、王妃教育の合間に書庫で本を読み漁った。学園に入学して授業で魔法について習い、読む本は魔導書へと変わった。
(なぜか、難しい本まで読めてしまったのよね)
神様の贈り物はすごい。
私は贈り物で得た浄化の力を使い、国中の魔物が出る森を浄化した。剣も覚え、採取、あらゆる調合も身につけた。すべてはアウスター国の為に、ルールリア殿下を助けるためだった。
(あまりの魔力の差に、バケモノだと言われた時もあったけど)
「君はこの国の宝」だと、陛下に言われた言葉が嬉しくて、ますます頑張れた。
もっと、もっと国の為に。
ルールリア殿下の為に。
その時、身につけた多くの知識は無駄ではない、これから私の生きる糧になるだろう。
回復に必要なポーション、他にも、どんな薬も作れるし。前世の記憶があるから……やったことがない掃除と洗濯、料理も出来るだろう。
私は心が落ち着くまで泣き続けた。
その涙も徐々に止まる……その流れた涙を拭いて顔を上げた。
(もう私が知っている、恋愛ファンタジー小説とはかなり変わっているが関係ない。私はこれからも、この世界で生きていくんだから)
この転移してきた家は学園時代、浄化で訪れた凶暴な魔物が出没する、カサロの森で見つけた温室がある一軒家。発見した時。この家の外は結界で覆われていて、内装すべてに保存魔法が使われていた。その家のダイニングテーブルの上に、ふたつに折り畳まれた紙がポツンと置いてある。
『何かしら?』
紙に触れると、その紙は勝手に開かれ。
[この家を見つけた、あなたに差し上げましょう]
綺麗な文字で、その言葉だけ書かれていた。
『この家を差し上げる?』
もういちど確かめようと紙に触れる前に、その紙はチリチリ燃え消えてしまった。当時の私は誰の家かはわからないけど、面白い秘密基地を手に入れた! とウキウキ両親に報告して、たくさんのお気に入りの私物を運んだ。
この場所はルールリアも知らない、両親と私が知る秘密の家。王妃教育、執務が休みの日、一人で過ごしたいときに訪れて本を読んでいた。
この場所で、両親以外の人とは関わらず。
のんびり、余生を過ごしましょう。
昔の思い出が脳裏に浮かんだ。
ここアウスターには魔法があり。
大昔、大賢者ローサが住んでいたと伝えられる国。魔力を多く持つものが良い職につける国でもある為、住む者のすべて魔力鑑定を行う義務があった。
私が十歳のとき教会で受けた魔力鑑定で、他の者と比べられない位の魔力量保持者だと分かり、そくルールリア殿下の婚約者に選ばれた。
(この力を、当時の私は神様からの贈り物だと思っていたわ)
みんなの為に、この神様から貰った力を強化しなくてはと、王妃教育の合間に書庫で本を読み漁った。学園に入学して授業で魔法について習い、読む本は魔導書へと変わった。
(なぜか、難しい本まで読めてしまったのよね)
神様の贈り物はすごい。
私は贈り物で得た浄化の力を使い、国中の魔物が出る森を浄化した。剣も覚え、採取、あらゆる調合も身につけた。すべてはアウスター国の為に、ルールリア殿下を助けるためだった。
(あまりの魔力の差に、バケモノだと言われた時もあったけど)
「君はこの国の宝」だと、陛下に言われた言葉が嬉しくて、ますます頑張れた。
もっと、もっと国の為に。
ルールリア殿下の為に。
その時、身につけた多くの知識は無駄ではない、これから私の生きる糧になるだろう。
回復に必要なポーション、他にも、どんな薬も作れるし。前世の記憶があるから……やったことがない掃除と洗濯、料理も出来るだろう。
私は心が落ち着くまで泣き続けた。
その涙も徐々に止まる……その流れた涙を拭いて顔を上げた。
(もう私が知っている、恋愛ファンタジー小説とはかなり変わっているが関係ない。私はこれからも、この世界で生きていくんだから)
この転移してきた家は学園時代、浄化で訪れた凶暴な魔物が出没する、カサロの森で見つけた温室がある一軒家。発見した時。この家の外は結界で覆われていて、内装すべてに保存魔法が使われていた。その家のダイニングテーブルの上に、ふたつに折り畳まれた紙がポツンと置いてある。
『何かしら?』
紙に触れると、その紙は勝手に開かれ。
[この家を見つけた、あなたに差し上げましょう]
綺麗な文字で、その言葉だけ書かれていた。
『この家を差し上げる?』
もういちど確かめようと紙に触れる前に、その紙はチリチリ燃え消えてしまった。当時の私は誰の家かはわからないけど、面白い秘密基地を手に入れた! とウキウキ両親に報告して、たくさんのお気に入りの私物を運んだ。
この場所はルールリアも知らない、両親と私が知る秘密の家。王妃教育、執務が休みの日、一人で過ごしたいときに訪れて本を読んでいた。
この場所で、両親以外の人とは関わらず。
のんびり、余生を過ごしましょう。