浮気をした王太子はいりません。〜離縁をした元王太子妃は森の奥で、フェンリルパパと子供と幸せに暮らします。
69
オールの森の西側の浄化が終わった。
明日、残りの北と東側の浄化が終われば、オールの森の浄化は終わりになる。まだ浄化をする森はあるが、なにもなく、ここの浄化が終わってひとまずホッとした。
(まあ、エルフがこのオールの森に住んでいることには驚いたけど。残りの西のリポとドワーフ、北のケチャの森の浄化も、何事もなく終わるといいわね)
ポンと、杖をしまった。
「これでよし。シシ、チェル。花畑に咲くスノーロップを採取してもいい?」
「スノーロップ? ああ、いいよ。ボクはアーシャが採取しているあいだに、ピヨピヨ鳥を狩ってくるよ」
シシは私とチェルにパッパと防御結界を張ると、森の中へと走っていった。元気なシシを見送り、私とチェルは花畑で熱冷ましになるスノーロップの花を採取しはじめた。
「ママ! ここでお絵描きしてもいい?」
「お絵描き? いいわよ、はい紙とペン」
ありがとう、と。チェルは採取する私の隣でナナちゃんへ送る、スノーロップの花の絵を描きはじめた。「ここがこう」で「この色かな?」と、一生懸命に絵を描くチェル、その姿は可愛くて微笑ましい。
他の子達も親と近くの森、花畑へキャンプ(野営)ピクニックと気楽に遊びに行ける、キャンプ場に似た施設を作りたかった。
(今回の浄化の旅が終われば、あと五年は持つだろう)
問題はそのあとになる。
また同じ事が起これば、シシは私が浄化することは絶対に許さない。今回の旅で瘴気を発する、根元を発見することができればいいのだけど。……私が王太子妃だったころ。あんなに国中の森を巡ったのに、私は根元を見つけることが出来なかった。
(私が小説の続刊が読めていれば、何かわかったかもしれないのに?)
「……ママ? ママ、大丈夫?」
「え?」
考えることに夢中で採取の手が止まっていた。チェルはお絵描きを止めて、心配そうにみつめている。そうだ、私には守りたいシシとチェル、両親それはこれからも変わらない。
(いま願うのは。ヒロインのロローナさんに小説のとおり、聖女の力が芽生えればいいのだけど……)
「アーシャ、チェル戻ったぞ。いいピヨピヨ鳥とまんまんウサギを狩ってきた」
シシからポンと血抜きと処理が終わった、ピヨピヨ鳥とまんまんウサギのお肉を渡される。私はアイテムボックスを開きそれをしまい、フェンリル姿のシシの頬に頬ずりをした。
「ありがとう。夕飯は2人の好きな照り焼きにするわね」
そう伝えると。
「ヤッタァ――! アーシャの照り焼き好きだ」
「ボクも、ママの照り焼き好き」
と、チェルは足に引っ付き。
シシは、お返しの頬ずりをしてくれた。
明日、残りの北と東側の浄化が終われば、オールの森の浄化は終わりになる。まだ浄化をする森はあるが、なにもなく、ここの浄化が終わってひとまずホッとした。
(まあ、エルフがこのオールの森に住んでいることには驚いたけど。残りの西のリポとドワーフ、北のケチャの森の浄化も、何事もなく終わるといいわね)
ポンと、杖をしまった。
「これでよし。シシ、チェル。花畑に咲くスノーロップを採取してもいい?」
「スノーロップ? ああ、いいよ。ボクはアーシャが採取しているあいだに、ピヨピヨ鳥を狩ってくるよ」
シシは私とチェルにパッパと防御結界を張ると、森の中へと走っていった。元気なシシを見送り、私とチェルは花畑で熱冷ましになるスノーロップの花を採取しはじめた。
「ママ! ここでお絵描きしてもいい?」
「お絵描き? いいわよ、はい紙とペン」
ありがとう、と。チェルは採取する私の隣でナナちゃんへ送る、スノーロップの花の絵を描きはじめた。「ここがこう」で「この色かな?」と、一生懸命に絵を描くチェル、その姿は可愛くて微笑ましい。
他の子達も親と近くの森、花畑へキャンプ(野営)ピクニックと気楽に遊びに行ける、キャンプ場に似た施設を作りたかった。
(今回の浄化の旅が終われば、あと五年は持つだろう)
問題はそのあとになる。
また同じ事が起これば、シシは私が浄化することは絶対に許さない。今回の旅で瘴気を発する、根元を発見することができればいいのだけど。……私が王太子妃だったころ。あんなに国中の森を巡ったのに、私は根元を見つけることが出来なかった。
(私が小説の続刊が読めていれば、何かわかったかもしれないのに?)
「……ママ? ママ、大丈夫?」
「え?」
考えることに夢中で採取の手が止まっていた。チェルはお絵描きを止めて、心配そうにみつめている。そうだ、私には守りたいシシとチェル、両親それはこれからも変わらない。
(いま願うのは。ヒロインのロローナさんに小説のとおり、聖女の力が芽生えればいいのだけど……)
「アーシャ、チェル戻ったぞ。いいピヨピヨ鳥とまんまんウサギを狩ってきた」
シシからポンと血抜きと処理が終わった、ピヨピヨ鳥とまんまんウサギのお肉を渡される。私はアイテムボックスを開きそれをしまい、フェンリル姿のシシの頬に頬ずりをした。
「ありがとう。夕飯は2人の好きな照り焼きにするわね」
そう伝えると。
「ヤッタァ――! アーシャの照り焼き好きだ」
「ボクも、ママの照り焼き好き」
と、チェルは足に引っ付き。
シシは、お返しの頬ずりをしてくれた。