浮気をした王太子はいりません。〜離縁をした元王太子妃は森の奥で、フェンリルパパと子供と幸せに暮らします。
71
私は喜びを隠せずシシとチェルが待っている、場所へと戻る。その喜びがわかったのか、シシがどうしたのかと聞いた。
「アーシャ、ご機嫌だね。何かいい事があった?」
「ママのお口、喜んでる」
「これを見て、欲しいの」
「うん? 見ているよ、アーシャはすごくお腹が空いていたんだね」
「え? お腹? あ、これは……そうだけど」
シシが呆れるのもわかる。私は号外の他にイカカ焼きを十皿と、エビン焼きのソース全種類を持っていたのだ。
「お腹は空いているよ。それよりも、この号外を見て欲しいの」
「号外? このクシャクシャの紙を?」
「そそ、そこの街で拾ったのだけど。ここに書いてある記事を、シシに見てもらいたいわ」
すぐにでも、シシに号外を読んでもらおうと思ったが、ここは海沿い近くの街で人通りも多い。シシとチェルが人に戻り、ゆっくりお昼ご飯が食べられる場所を探すことにした。
シシの背中に乗って移動中。シシがいい場所を見つけたのか、足を止めた。
「アーシャ、ここなんてどう?」
「まあ、いいわね。ここなら誰も来ないかしら」
数分走って見つけた、リポ森の近くの小川のほとり。二人は人に戻り着替え中で、私はアイテムボックスからさっき買ったイカカ焼きとエビン焼きを取り出した途端、香ばしいイカカ焼きの香りがしたのだろう。着替え途中の二人がこっちにやってくる。
「香ばしい、いい匂い。そのイカカ焼き、うまそう」
「パパ、うまそう」
「シシ、チェル! ちゃんと着替えてから来なさい、風邪をひくわ」
「「はーい」」
二人が着替えているあいだ、私は敷物とテーブルを用意して、お湯を沸かして薬草茶を入れた。
「「いただきます」」
と、お昼ご飯がはじまる。私は香ばしい、かおりがするイカカ焼きをとりかじる。柔らかく甘辛いタレが染み込んだ、イカカ焼きは美味しい。
「美味しい、これは何本でも食べられるわ」
「タルタルかけの、エビン焼きも美味い」
「パパの美味しい」
「ママのも食べる?」
食べると言ったチェルにイカカ焼きを小さくして、お皿に乗せた。
美味しい、美味しいとタルタルとタレのエビン焼きに手が止まらない。お腹が空いていたのもあり、私たちはあっという間に、イカカ焼き十皿とエビン焼きを食べてしまった。
「「ごちそうさま」」
チェルはナナちゃんへ、イカカ焼きとエビン焼きの絵を描くとウトウトと眠ってしまった。私はチェルを寝かせて、薬草茶を飲むシシにさっきの号外を見せた。
シシは号外を受け取り、記事に目を通して頷く。
「ようやく聖女が生まれたのか。これで、アーシャが浄化しなくてもよくなるね」
「そうなの。シシとチェルで、いろんな国を旅できるわ」
「家族旅行か、いいな。遠くに住む友にアーシャとチェルを紹介したい」
「シシの友達? それは会うのが楽しみね」
私とシシは聖女誕生を喜んだ。
「アーシャ、ご機嫌だね。何かいい事があった?」
「ママのお口、喜んでる」
「これを見て、欲しいの」
「うん? 見ているよ、アーシャはすごくお腹が空いていたんだね」
「え? お腹? あ、これは……そうだけど」
シシが呆れるのもわかる。私は号外の他にイカカ焼きを十皿と、エビン焼きのソース全種類を持っていたのだ。
「お腹は空いているよ。それよりも、この号外を見て欲しいの」
「号外? このクシャクシャの紙を?」
「そそ、そこの街で拾ったのだけど。ここに書いてある記事を、シシに見てもらいたいわ」
すぐにでも、シシに号外を読んでもらおうと思ったが、ここは海沿い近くの街で人通りも多い。シシとチェルが人に戻り、ゆっくりお昼ご飯が食べられる場所を探すことにした。
シシの背中に乗って移動中。シシがいい場所を見つけたのか、足を止めた。
「アーシャ、ここなんてどう?」
「まあ、いいわね。ここなら誰も来ないかしら」
数分走って見つけた、リポ森の近くの小川のほとり。二人は人に戻り着替え中で、私はアイテムボックスからさっき買ったイカカ焼きとエビン焼きを取り出した途端、香ばしいイカカ焼きの香りがしたのだろう。着替え途中の二人がこっちにやってくる。
「香ばしい、いい匂い。そのイカカ焼き、うまそう」
「パパ、うまそう」
「シシ、チェル! ちゃんと着替えてから来なさい、風邪をひくわ」
「「はーい」」
二人が着替えているあいだ、私は敷物とテーブルを用意して、お湯を沸かして薬草茶を入れた。
「「いただきます」」
と、お昼ご飯がはじまる。私は香ばしい、かおりがするイカカ焼きをとりかじる。柔らかく甘辛いタレが染み込んだ、イカカ焼きは美味しい。
「美味しい、これは何本でも食べられるわ」
「タルタルかけの、エビン焼きも美味い」
「パパの美味しい」
「ママのも食べる?」
食べると言ったチェルにイカカ焼きを小さくして、お皿に乗せた。
美味しい、美味しいとタルタルとタレのエビン焼きに手が止まらない。お腹が空いていたのもあり、私たちはあっという間に、イカカ焼き十皿とエビン焼きを食べてしまった。
「「ごちそうさま」」
チェルはナナちゃんへ、イカカ焼きとエビン焼きの絵を描くとウトウトと眠ってしまった。私はチェルを寝かせて、薬草茶を飲むシシにさっきの号外を見せた。
シシは号外を受け取り、記事に目を通して頷く。
「ようやく聖女が生まれたのか。これで、アーシャが浄化しなくてもよくなるね」
「そうなの。シシとチェルで、いろんな国を旅できるわ」
「家族旅行か、いいな。遠くに住む友にアーシャとチェルを紹介したい」
「シシの友達? それは会うのが楽しみね」
私とシシは聖女誕生を喜んだ。