浮気をした王太子はいりません。〜離縁をした元王太子妃は森の奥で、フェンリルパパと子供と幸せに暮らします。
74
ドワーフとは男女共に小人で、顔の半分を覆っている髭が特徴。力が強く斧を武器に外へ冒険に出るドワーフ、鉱山で鉱石を掘り、鍛冶屋、石工を生業にしている。
だが、王太子妃の時。ここで鉄鉱石を掘っていたという記録はなかったから、ドワーフ達が鍛冶屋、石工を営むために掘ったのだろう。そうなると穴を掘り進めていたドワーフが、たまたま瘴気が溜まっていた箇所を掘り当ててしまい、住居の所まで溢れてしまった。
――その奥にあるのは……たぶん、オオカミの骸。
(このドワーフ達の様子からして、そう考えた方が正しいわね)
すぐに瘴気が出ている穴を見つけて、早く浄化しないと。私たちを拒むかの様に周りをうろつく、瘴気幻影のオオカミが増えていく。
「シシ、慎重に洞窟の中へ進みましょう」
「了解。アーシャ、ボクから手を離さないようにね」
私とシシはお互いにコクリと頷き、洞窟の中へと進んだ。
真っ暗闇の洞窟の中、私は灯りの魔法を使い辺りを照らすと。ここにも倒れたドワーフがいた。そのドワーフ達の近くには、穴掘りの道具のツルハシが幾つも落ちている。掘った壁から瘴気が溢れ、このドワーフ達はここまで逃げてきたのだろう。
私は倒れたドワーフを包む様に結界魔法をほどこし。アイテムボックスから、魔力を回復するポーションの瓶を取り出して、いっきに飲み干した。もう一本取り出し、私たちの周りに結界を張ってくれている、シシにも飲んでもらった。
「うっ、魔力が回復したが……苦手な味だ」
「なら、口直しに飴食べる?」
食べる。と口を開けた、シシの口に苺の飴を何個か放り込む。シシは飴をガリガリ噛み砕き、ペロンと舌で口の周りを舐めた。
「うまい、甘い! アーシャ、もっと貰ってもいい?」
「じゃ、口を開けて」
またシシの口へ飴をいれて、自分も苺飴をパクンと食べる。甘い苺飴がポーションの苦味を消した。
「アーシャ、この洞窟は奥まで、このまま続いていそうだな」
シシのいう通りで、このドワーフ達の洞窟は迷路状になっていない一本道、私たちは迷わず前に進める。
(これなら、すぐに原因の場所へ進めるわね)
ついてくる瘴気のオオカミを引き連れて、洞窟の奥へと進んでいた。洞窟の壁が先ほどとはかわり、荒く削れて整えられていない。
周りを見渡し(そろそろ洞窟の奥につくのかしら?)と考えた。そんな私たちの前に「グルルルル――」低く唸り、シシと同じ大きさの、大きな瘴気幻影のオオカミが立ち塞がった。
「「⁉」」
シシはバッと後ろに下がり、そのオオカミと距離を取った。
「クッ、ワーグか?」
「ワーグ?」
「ああ、コイツは魔狼と呼ばれる、オオカミのような生き物だ」
グルルルルと鳴き、そのオオカミに似たワーグはいまにも、コチラに飛びかかってきそうだ。
だが、王太子妃の時。ここで鉄鉱石を掘っていたという記録はなかったから、ドワーフ達が鍛冶屋、石工を営むために掘ったのだろう。そうなると穴を掘り進めていたドワーフが、たまたま瘴気が溜まっていた箇所を掘り当ててしまい、住居の所まで溢れてしまった。
――その奥にあるのは……たぶん、オオカミの骸。
(このドワーフ達の様子からして、そう考えた方が正しいわね)
すぐに瘴気が出ている穴を見つけて、早く浄化しないと。私たちを拒むかの様に周りをうろつく、瘴気幻影のオオカミが増えていく。
「シシ、慎重に洞窟の中へ進みましょう」
「了解。アーシャ、ボクから手を離さないようにね」
私とシシはお互いにコクリと頷き、洞窟の中へと進んだ。
真っ暗闇の洞窟の中、私は灯りの魔法を使い辺りを照らすと。ここにも倒れたドワーフがいた。そのドワーフ達の近くには、穴掘りの道具のツルハシが幾つも落ちている。掘った壁から瘴気が溢れ、このドワーフ達はここまで逃げてきたのだろう。
私は倒れたドワーフを包む様に結界魔法をほどこし。アイテムボックスから、魔力を回復するポーションの瓶を取り出して、いっきに飲み干した。もう一本取り出し、私たちの周りに結界を張ってくれている、シシにも飲んでもらった。
「うっ、魔力が回復したが……苦手な味だ」
「なら、口直しに飴食べる?」
食べる。と口を開けた、シシの口に苺の飴を何個か放り込む。シシは飴をガリガリ噛み砕き、ペロンと舌で口の周りを舐めた。
「うまい、甘い! アーシャ、もっと貰ってもいい?」
「じゃ、口を開けて」
またシシの口へ飴をいれて、自分も苺飴をパクンと食べる。甘い苺飴がポーションの苦味を消した。
「アーシャ、この洞窟は奥まで、このまま続いていそうだな」
シシのいう通りで、このドワーフ達の洞窟は迷路状になっていない一本道、私たちは迷わず前に進める。
(これなら、すぐに原因の場所へ進めるわね)
ついてくる瘴気のオオカミを引き連れて、洞窟の奥へと進んでいた。洞窟の壁が先ほどとはかわり、荒く削れて整えられていない。
周りを見渡し(そろそろ洞窟の奥につくのかしら?)と考えた。そんな私たちの前に「グルルルル――」低く唸り、シシと同じ大きさの、大きな瘴気幻影のオオカミが立ち塞がった。
「「⁉」」
シシはバッと後ろに下がり、そのオオカミと距離を取った。
「クッ、ワーグか?」
「ワーグ?」
「ああ、コイツは魔狼と呼ばれる、オオカミのような生き物だ」
グルルルルと鳴き、そのオオカミに似たワーグはいまにも、コチラに飛びかかってきそうだ。