浮気をした王太子はいりません。〜離縁をした元王太子妃は森の奥で、フェンリルパパと子供と幸せに暮らします。
84
ドワーフにはドワーフのやり方か、それならあとは彼らに任せたほうがいい。チェルと戯れるワーグの子供のグゥも、ドワーフの彼らが面倒を見るといってくれた。
(この洞窟も浄化されて、もう瘴気もなさそうだし。私たちの役割も終わったかしら?)
杖を持ちなら私は、洞窟の中を見渡した。
隣にいたアギが、ふうっと息を吐く。
「よかった……スノ、終わったなら俺は里に帰るな。何かあったら"知らせ鳥"を飛ばしてくれ、すぐ駆けつける」
「あい、わかった。互いに暇ができたら酒を飲もうな」
「ああ、またな」
私達とスノに、アギは手を振りエルフの里に帰っていく。私達も終わったのなら、ここドワーフの住処を離れて、何処かで休憩しようとシシと話した。
「そうだな、動いて腹も減ったし。どこか野営できる場所を見つけて、今日は休もう」
「ええ、そうしましょう。チェル、行くわよ」
「うん、グゥまたね」
「グゥ、グゥ?」
「いいよ。パパとママと会いにくるね」
「グゥ!」
チェルとグゥが「また会おうね」と戯れあう。チェルに、精霊のナナちゃん以外にも新しいお友達ができた。これは喜ばしいこと。
――この浄化の旅が終わったら会いに来ようね。
「ドワーフのスノ、僕たちも行くね」
「おう! フェンリルのシシ、その奥様、子供様、ありがとう、助かりましたのじゃ」
「そうだ、まだ動けるドワーフが少ないと思うから。傷薬とポーションなどの薬と、お肉などの食料も置いていくわ」
「シシの奥様、助かりますのじゃ。何か渡したいが、奥様達に合う武器を作るには。一度くわしく調べなくてはならない空の。みなさまに時間ができたときに来てくだされ、そのときにお礼をしますのじゃ」
「ドワーフの武器か、それは楽しみだな」
「うれしい、楽しみにしております」
スノにまた追う約束をしてシシに乗り、ドワーフの住処の外に出ると、目の前に金色に光る玉がふわふわ浮いていた。
シシはその玉が、何がわかったのか。
「ドワーフの住処は心配しなくても大丈夫だ。いまは無理かもしれないが、しばらくしたらスノがドワーフ酒を持って「会いに行く」と言っていたから、気長に待っていてください」
玉はシシの話に、私達の周りをふわふわと飛び「ありがとう」と、一言だけ言うと消えていった。
「パパ、ママ消えた?」
「ええ、消えたわね。シシ、いまの玉……もしかして」
「ああ、神のポストン様だよ。ドワーフ達に何かあった事がわかったけど、これより先は入れなかったのだろうな」
さぁ行こう、とシシは森の中へと走りだした。
(この洞窟も浄化されて、もう瘴気もなさそうだし。私たちの役割も終わったかしら?)
杖を持ちなら私は、洞窟の中を見渡した。
隣にいたアギが、ふうっと息を吐く。
「よかった……スノ、終わったなら俺は里に帰るな。何かあったら"知らせ鳥"を飛ばしてくれ、すぐ駆けつける」
「あい、わかった。互いに暇ができたら酒を飲もうな」
「ああ、またな」
私達とスノに、アギは手を振りエルフの里に帰っていく。私達も終わったのなら、ここドワーフの住処を離れて、何処かで休憩しようとシシと話した。
「そうだな、動いて腹も減ったし。どこか野営できる場所を見つけて、今日は休もう」
「ええ、そうしましょう。チェル、行くわよ」
「うん、グゥまたね」
「グゥ、グゥ?」
「いいよ。パパとママと会いにくるね」
「グゥ!」
チェルとグゥが「また会おうね」と戯れあう。チェルに、精霊のナナちゃん以外にも新しいお友達ができた。これは喜ばしいこと。
――この浄化の旅が終わったら会いに来ようね。
「ドワーフのスノ、僕たちも行くね」
「おう! フェンリルのシシ、その奥様、子供様、ありがとう、助かりましたのじゃ」
「そうだ、まだ動けるドワーフが少ないと思うから。傷薬とポーションなどの薬と、お肉などの食料も置いていくわ」
「シシの奥様、助かりますのじゃ。何か渡したいが、奥様達に合う武器を作るには。一度くわしく調べなくてはならない空の。みなさまに時間ができたときに来てくだされ、そのときにお礼をしますのじゃ」
「ドワーフの武器か、それは楽しみだな」
「うれしい、楽しみにしております」
スノにまた追う約束をしてシシに乗り、ドワーフの住処の外に出ると、目の前に金色に光る玉がふわふわ浮いていた。
シシはその玉が、何がわかったのか。
「ドワーフの住処は心配しなくても大丈夫だ。いまは無理かもしれないが、しばらくしたらスノがドワーフ酒を持って「会いに行く」と言っていたから、気長に待っていてください」
玉はシシの話に、私達の周りをふわふわと飛び「ありがとう」と、一言だけ言うと消えていった。
「パパ、ママ消えた?」
「ええ、消えたわね。シシ、いまの玉……もしかして」
「ああ、神のポストン様だよ。ドワーフ達に何かあった事がわかったけど、これより先は入れなかったのだろうな」
さぁ行こう、とシシは森の中へと走りだした。