浮気をした王太子はいりません。〜離縁をした元王太子妃は森の奥で、フェンリルパパと子供と幸せに暮らします。
86
シシの背中に乗り、バナナタルトを食べに滝の街へと移動する。滝の街の近くのソネ村には温泉施設もあり、家族風呂もあったはずだ。
「シシ、チェル、北の森の浄化が終わったら、ソネ村の温泉に寄りましょう!」
滝の街にバナナタルトを食べにいくから、二人は茂みでフェルリルと子フェンリルから人に戻り、着替えている。シシも私の話に近くの村にある、温泉施設のことに気付いたのか「ああ」と頷いた。
「そういや、近くに温泉があったね。浄化の旅に出てからアーシャのクリーンの魔法、タオルで体を拭くか川遊びだったから、ひさしぶりに大きい風呂に浸かりたい」
「おおきな、お風呂? ボクもはいる!」
「ひさしぶりの、お風呂はいいわね」
最後の浄化を終えたら一泊、その温泉施設の村で宿を取ろうと決めた。家族みんなとまったり出来るために、早く北の森の浄化を終わらそう。
「パパ、ママ早く、バナナタルトを食べに行こう」
「ああ、行こう」
「ええ、行きましょう」
シシがチェルを抱っこして滝の街に進む、さすが観光地なのか人々がたくさん来ているも、滝が見られる森の中には入れないようだ。
「やはり瘴気が満ちてしまって、マキロの森には入れないみたいね」
「そうみたいだね」
シシと話していた。
だが、この街を収める身なりの良い服装の領主が現れ、滝の街へ訪れている観光客に向けて、魔導具の拡張機を取り出し話し始める。
(たしか、この滝の街を収める領主は伯爵スロノワール・マーキロだったわね)
「皆様聞いてください。もうすぐこの街へ、聖女様が浄化に訪れると王太子殿下から連絡がありました。聖女様の浄化が終わり、安全が確認でき次第、滝への観光は再開となります」
領主の報告に、観光客たちは喜びの声をあげる。
――え、ここに聖女ロローナが来る? となると、王太子殿下と騎士団たちも来る?
驚きを隠せない私に、シシは念話に切り替えて話す。
〈アーシャ、一旦ここを離れるか?〉
〈その方が良さそうだけど……もうすぐと言っていたから、バナナタルトを持ち帰りで買って、この街から離れましょう〉
〈わかった、近くの店で買ってすぐに出よう〉
〈ええ〉
シシとチェルもバナナタルトを楽しみにしていたし、私も食べたい。サッと買って、この街を出れば会わずに済むだろう。
「シシ、チェル、北の森の浄化が終わったら、ソネ村の温泉に寄りましょう!」
滝の街にバナナタルトを食べにいくから、二人は茂みでフェルリルと子フェンリルから人に戻り、着替えている。シシも私の話に近くの村にある、温泉施設のことに気付いたのか「ああ」と頷いた。
「そういや、近くに温泉があったね。浄化の旅に出てからアーシャのクリーンの魔法、タオルで体を拭くか川遊びだったから、ひさしぶりに大きい風呂に浸かりたい」
「おおきな、お風呂? ボクもはいる!」
「ひさしぶりの、お風呂はいいわね」
最後の浄化を終えたら一泊、その温泉施設の村で宿を取ろうと決めた。家族みんなとまったり出来るために、早く北の森の浄化を終わらそう。
「パパ、ママ早く、バナナタルトを食べに行こう」
「ああ、行こう」
「ええ、行きましょう」
シシがチェルを抱っこして滝の街に進む、さすが観光地なのか人々がたくさん来ているも、滝が見られる森の中には入れないようだ。
「やはり瘴気が満ちてしまって、マキロの森には入れないみたいね」
「そうみたいだね」
シシと話していた。
だが、この街を収める身なりの良い服装の領主が現れ、滝の街へ訪れている観光客に向けて、魔導具の拡張機を取り出し話し始める。
(たしか、この滝の街を収める領主は伯爵スロノワール・マーキロだったわね)
「皆様聞いてください。もうすぐこの街へ、聖女様が浄化に訪れると王太子殿下から連絡がありました。聖女様の浄化が終わり、安全が確認でき次第、滝への観光は再開となります」
領主の報告に、観光客たちは喜びの声をあげる。
――え、ここに聖女ロローナが来る? となると、王太子殿下と騎士団たちも来る?
驚きを隠せない私に、シシは念話に切り替えて話す。
〈アーシャ、一旦ここを離れるか?〉
〈その方が良さそうだけど……もうすぐと言っていたから、バナナタルトを持ち帰りで買って、この街から離れましょう〉
〈わかった、近くの店で買ってすぐに出よう〉
〈ええ〉
シシとチェルもバナナタルトを楽しみにしていたし、私も食べたい。サッと買って、この街を出れば会わずに済むだろう。