浮気をした王太子はいりません。〜離縁をした元王太子妃は森の奥で、フェンリルパパと子供と幸せに暮らします。
89(ルールリアとロローナ)
伝えていた予定の一時に、近衛騎士と騎士団は宿屋へと戻ってきたが。
彼らからは滝の街の隅々まで探したが、アーシャが見つからないと報告を受けた。
「そうか……滝の街ではなく近くの村や町にいるのかもしれないな。浄化が終わりしだい捜索に向かおう」
「かしこまりました」
近衛騎士と騎士団に森へ向かう準備をするように手伝えて部屋に戻るも、ロローナはまだベッドで寛いでいる。そんな彼女にあと三十分で出ると伝えて、僕も森へ向かう準備を始めた。
それを見て重い腰を上げロローナはメイドを呼び、清楚なドレスに着替えはじめた。
(へぇ~ロローナが選ぶには珍しく、見た目だけは聖女らしいドレスだな)
ロローナは着替えが終わると、僕にそのドレスを見せながら。
「ルル、この格好でどう?」
と聞く。
普段はピンク色を好む彼女らしからぬ、薄い黄色の清楚なドレスと髪型に僕はコクリとうなずく。
「いいね、可愛い。ロローナに似合っているよ」
「へへ、このドレス聖女らしいでしょ。北の森に行くと決めた日にデザイナーを呼んで、それらしいドレスを作ってもらったの」
嬉しそうにはしゃぐロローナに僕は、彼女の機嫌が良いうちに北の森の浄化を終わらせようと、ロローナをエスコートするため彼女の前に手を出した。
ロローナとつれだって宿屋の外に出ると、宿屋前に僕たちが乗る馬車、近衛騎士と騎士団は準備を終えて僕たちを待っていた。そこに領地を守る領地騎士たちが数名いるではないか。彼らは領主に頼まれて、浄化について行くよう指示をされたらしい。
(マズイ。宿屋を提供され、ロローナには言っていないが領主から金も受け取ってしまった……ここは断れないな)
こうなったら仕方がない、ロローナに好きに買い物していいと言って、ロローナに森の浄化をさせよう。
「よし、準備は終わっているな! いますぐ、マキロの森に向かい浄化をはじめよう。この隊の指揮は騎士団長キルに任せる」
「はい! ルールリア王太子殿下、お任せください」
騎士団長は頭を下げて馬に乗り、近衛騎士と騎士達に合図を出し、先頭を進み森の中へと入っていく。その後を近衛騎士と騎士、領地騎士、僕たちが乗る馬車が続いた。
マキロの森の中を進むと、騎士団長キルが馬を止めて、声を上げた。
他の騎士たち、近衛騎士、領地騎士は馬車を守るように剣を構える。
「前方にオオトカゲの魔物と瘴気です! ルールリア王太子殿下、魔吸い石を渡してください!」
「わかった、ロローナ扉を開けるから"魔吸い石"を騎士団長に渡してくれ」
「え、私が?」
「森にこの領地の騎士が来ている。ロローナ、王都へ帰ったらなんでも好きなだけ買い物をしていい――この場は聖女をやってくれ」
最初は嫌がったロローナだが、僕が好きなだけ買っていいと言う言葉を聞いて「フフ、仕方がないわね」と先に降りた僕の手を取り、魔吸い石を持ち馬車を降りてくれた。
彼らからは滝の街の隅々まで探したが、アーシャが見つからないと報告を受けた。
「そうか……滝の街ではなく近くの村や町にいるのかもしれないな。浄化が終わりしだい捜索に向かおう」
「かしこまりました」
近衛騎士と騎士団に森へ向かう準備をするように手伝えて部屋に戻るも、ロローナはまだベッドで寛いでいる。そんな彼女にあと三十分で出ると伝えて、僕も森へ向かう準備を始めた。
それを見て重い腰を上げロローナはメイドを呼び、清楚なドレスに着替えはじめた。
(へぇ~ロローナが選ぶには珍しく、見た目だけは聖女らしいドレスだな)
ロローナは着替えが終わると、僕にそのドレスを見せながら。
「ルル、この格好でどう?」
と聞く。
普段はピンク色を好む彼女らしからぬ、薄い黄色の清楚なドレスと髪型に僕はコクリとうなずく。
「いいね、可愛い。ロローナに似合っているよ」
「へへ、このドレス聖女らしいでしょ。北の森に行くと決めた日にデザイナーを呼んで、それらしいドレスを作ってもらったの」
嬉しそうにはしゃぐロローナに僕は、彼女の機嫌が良いうちに北の森の浄化を終わらせようと、ロローナをエスコートするため彼女の前に手を出した。
ロローナとつれだって宿屋の外に出ると、宿屋前に僕たちが乗る馬車、近衛騎士と騎士団は準備を終えて僕たちを待っていた。そこに領地を守る領地騎士たちが数名いるではないか。彼らは領主に頼まれて、浄化について行くよう指示をされたらしい。
(マズイ。宿屋を提供され、ロローナには言っていないが領主から金も受け取ってしまった……ここは断れないな)
こうなったら仕方がない、ロローナに好きに買い物していいと言って、ロローナに森の浄化をさせよう。
「よし、準備は終わっているな! いますぐ、マキロの森に向かい浄化をはじめよう。この隊の指揮は騎士団長キルに任せる」
「はい! ルールリア王太子殿下、お任せください」
騎士団長は頭を下げて馬に乗り、近衛騎士と騎士達に合図を出し、先頭を進み森の中へと入っていく。その後を近衛騎士と騎士、領地騎士、僕たちが乗る馬車が続いた。
マキロの森の中を進むと、騎士団長キルが馬を止めて、声を上げた。
他の騎士たち、近衛騎士、領地騎士は馬車を守るように剣を構える。
「前方にオオトカゲの魔物と瘴気です! ルールリア王太子殿下、魔吸い石を渡してください!」
「わかった、ロローナ扉を開けるから"魔吸い石"を騎士団長に渡してくれ」
「え、私が?」
「森にこの領地の騎士が来ている。ロローナ、王都へ帰ったらなんでも好きなだけ買い物をしていい――この場は聖女をやってくれ」
最初は嫌がったロローナだが、僕が好きなだけ買っていいと言う言葉を聞いて「フフ、仕方がないわね」と先に降りた僕の手を取り、魔吸い石を持ち馬車を降りてくれた。