花の海駅より君に描く、“約束の花”が咲いたとき
話が終わってアカシアは少しだけ名残惜しそうに、「またな」と手を振った。
「ことはなはどこ行きたい? おれはもう終わったから、今度は君の行きたいとこへ行きたいな」
「……うん! あのねあっちに美味しい焼き菓子があるの。花蜜ミルクティーがおすすめなんだって」
「いいね、それ買おうか」
花の海駅のあちらこちらから花の香が彷徨いながら居場所を見つけて、そこで香を咲かせている。焼き菓子と飲み物を買ってから、少し離れた場所にある休憩所に向かう。
「ちょっと疲れちゃったね。アカシアは大丈夫?」
「おれは平気。いつも走り回ってるから、絵を描きに。そのせいか筋肉痛にはなるんだけど」
「アカシアらしいね。じゃあいただこうか」
思いっきり花の菓子にかぶりつく。花弁を纏った焼き菓子はおしゃれで、中に入ってる果実たっぷりのジャムと蜂蜜がほどよく合っている。
「ん、これは美味しいな」
「でしょでしょ?」
自分の事のように誇らしくなって、前のめりになる。ふと我に返った瞬間遅かった、アカシアの顔が間近にある。
その刹那、花の香りがした。
――アカシアの。
「ことはなはどこ行きたい? おれはもう終わったから、今度は君の行きたいとこへ行きたいな」
「……うん! あのねあっちに美味しい焼き菓子があるの。花蜜ミルクティーがおすすめなんだって」
「いいね、それ買おうか」
花の海駅のあちらこちらから花の香が彷徨いながら居場所を見つけて、そこで香を咲かせている。焼き菓子と飲み物を買ってから、少し離れた場所にある休憩所に向かう。
「ちょっと疲れちゃったね。アカシアは大丈夫?」
「おれは平気。いつも走り回ってるから、絵を描きに。そのせいか筋肉痛にはなるんだけど」
「アカシアらしいね。じゃあいただこうか」
思いっきり花の菓子にかぶりつく。花弁を纏った焼き菓子はおしゃれで、中に入ってる果実たっぷりのジャムと蜂蜜がほどよく合っている。
「ん、これは美味しいな」
「でしょでしょ?」
自分の事のように誇らしくなって、前のめりになる。ふと我に返った瞬間遅かった、アカシアの顔が間近にある。
その刹那、花の香りがした。
――アカシアの。