しるべ
楓は取り敢えず、柊斗と話すことにし
ロータリーにある木のベンチに座った。
「楓さんが来るから、
その人と一緒にいなさいって
お父さんが。」
楓が駅に迎えに行っているという
父からのLIMEを見て
楓に声を掛けたと。
柊斗はそのLIMEトークの画面を
楓に見せた。
父から来る返信や質問に答えず
LIMEを既読無視を続けているようだ。
「よく俺が楓だってわかったね?」
「楓さんは…お父さんに似てるから。」
なるほどねと感心していると
「それに写真を見たことがあるんだ。
お父さんの手帳に挟んであったから」
「…そっか」
楓は父がまだ写真を持っていたことに
しばし言葉を無くした。
柊斗が不安そうな顔で覗き込んだのがわかり
楓は笑顔を作り話題を変えた。
「お父さんに連絡してもいい?」
「はい。でも…僕は電話には出たくありません。」
「お父さんと喧嘩したの?」
「してない。」
「そっか。怒られるから?」
「…うん」
柊斗は膝の上に置いた自分の拳を
じっと見て答えた。
「わかった。
電話に出なくていいから
お父さんに連絡だけするね。
お父さんが心配してるからね。」
そう言うと柊斗は良かったと言うように
息を吐き、安心していた。
「はい、わかりました。」
楓はベンチから少し離れた場所で
父に電話をした。
ワンコールも鳴らないくらいで
電話は繋がった。
柊斗を保護したことを伝えると
父は終始安堵の声だった。
そのまま実家に連れて行くことを伝えて切った。
楓は自分も父親となり、
柊斗の無謀な大冒険が親にとって
どれだけ心配を負わせるか
想像がつく。
父を始めて同情する
なんだかそんな気持ちになった。
ロータリーにある木のベンチに座った。
「楓さんが来るから、
その人と一緒にいなさいって
お父さんが。」
楓が駅に迎えに行っているという
父からのLIMEを見て
楓に声を掛けたと。
柊斗はそのLIMEトークの画面を
楓に見せた。
父から来る返信や質問に答えず
LIMEを既読無視を続けているようだ。
「よく俺が楓だってわかったね?」
「楓さんは…お父さんに似てるから。」
なるほどねと感心していると
「それに写真を見たことがあるんだ。
お父さんの手帳に挟んであったから」
「…そっか」
楓は父がまだ写真を持っていたことに
しばし言葉を無くした。
柊斗が不安そうな顔で覗き込んだのがわかり
楓は笑顔を作り話題を変えた。
「お父さんに連絡してもいい?」
「はい。でも…僕は電話には出たくありません。」
「お父さんと喧嘩したの?」
「してない。」
「そっか。怒られるから?」
「…うん」
柊斗は膝の上に置いた自分の拳を
じっと見て答えた。
「わかった。
電話に出なくていいから
お父さんに連絡だけするね。
お父さんが心配してるからね。」
そう言うと柊斗は良かったと言うように
息を吐き、安心していた。
「はい、わかりました。」
楓はベンチから少し離れた場所で
父に電話をした。
ワンコールも鳴らないくらいで
電話は繋がった。
柊斗を保護したことを伝えると
父は終始安堵の声だった。
そのまま実家に連れて行くことを伝えて切った。
楓は自分も父親となり、
柊斗の無謀な大冒険が親にとって
どれだけ心配を負わせるか
想像がつく。
父を始めて同情する
なんだかそんな気持ちになった。