しるべ
鉄紺
天野駅 23時55分
最終バスはさっき出てしまい
ロータリーにはタクシーを待つ数人がいるだけだ。
楓から出動要請を頼まれた
山城が浩介を駅まで迎えに来ていた。
「ご無沙汰しています。」
助手席に座った浩介が山城に頭を下げた。
白髪混じりの髪を整えた
山城が運転席で笑っていた。
「母子揃って行動力があると
父親は大変だな」
唯一この話を笑って話してくれる
昔からの友人のようだ。
夏海の襲撃から7年会ってはいないが
そんなタイムラグも感じさせ無い安心感が
山城にはある。
心強い友と会ったように
互いの近況を話し合っているうちに
佳乃子の家に着いた。
浩介が家に着いたのは
予告通り0時を過ぎていた。
呼び鈴を鳴らすと楓が玄関を開けてくれた。
楓は久しぶりに会う浩介が
痩せていることに驚いた。
柊斗が言うように心配なくらいだ。
庭先は暗く、楓の驚く顔を
浩介が気づく事はなかった。
「楓、迷惑をかけてすまん。柊斗は?」
「長旅お疲れ様。
柊斗はもう寝たよ。
梓の部屋。」
「そうか」
楓について2人はそのまま
2階にある梓の部屋に向かった。
「よく寝てるよ」
楓が小さな声で話す。
柊斗は梓のベットの中で寝息を立てていた。
いつもと変わらぬ柊斗の姿を見て
浩介は全身の力が抜けて心の声が漏れ出た。
「はぁ〜良かった」
山城が浩介の力が抜けて丸くなった背中を
「良かったな」と叩いた。
最終バスはさっき出てしまい
ロータリーにはタクシーを待つ数人がいるだけだ。
楓から出動要請を頼まれた
山城が浩介を駅まで迎えに来ていた。
「ご無沙汰しています。」
助手席に座った浩介が山城に頭を下げた。
白髪混じりの髪を整えた
山城が運転席で笑っていた。
「母子揃って行動力があると
父親は大変だな」
唯一この話を笑って話してくれる
昔からの友人のようだ。
夏海の襲撃から7年会ってはいないが
そんなタイムラグも感じさせ無い安心感が
山城にはある。
心強い友と会ったように
互いの近況を話し合っているうちに
佳乃子の家に着いた。
浩介が家に着いたのは
予告通り0時を過ぎていた。
呼び鈴を鳴らすと楓が玄関を開けてくれた。
楓は久しぶりに会う浩介が
痩せていることに驚いた。
柊斗が言うように心配なくらいだ。
庭先は暗く、楓の驚く顔を
浩介が気づく事はなかった。
「楓、迷惑をかけてすまん。柊斗は?」
「長旅お疲れ様。
柊斗はもう寝たよ。
梓の部屋。」
「そうか」
楓について2人はそのまま
2階にある梓の部屋に向かった。
「よく寝てるよ」
楓が小さな声で話す。
柊斗は梓のベットの中で寝息を立てていた。
いつもと変わらぬ柊斗の姿を見て
浩介は全身の力が抜けて心の声が漏れ出た。
「はぁ〜良かった」
山城が浩介の力が抜けて丸くなった背中を
「良かったな」と叩いた。