しるべ
声を振り絞って
浩介が話だした。
「申し訳ない。柊斗が…。
はぁ…そうか」
力無く封筒を机の上に置き
頭を再び抱えた。
浩介が動揺する姿に
リビングが静まり返っている。
浩介の隣に座っていた山城が封筒を手に取った。
「そうか。これを見たのか」
「洋ちゃん、知ってるの?」
佳乃子が聞く。
「浩介くんに勧めたのは俺だよ。」
「何で洋ちゃんが?」
佳乃子は浩介が知っている事に驚いていた。
「うん。実はね。
佳乃子には話してはいなかったんだけど。
叔父さんのお葬式の日に
浩介くんが夏海さんの車で帰った所を…
たまたま見つけてね。
跡をつけたんだ。」
佳乃子と楓は山城が尾行した事に驚きを超えて
「何でそんな事を」という顔をしていた。
山城はそれにいたずらな顔で応えて話を続ける。
「夏海さんは浩介くんを駅前で降ろすと
とある男の家に行ったんだ。
調べてみたらその男は
以前夏海さんと付き合っていて
その当時も何かと付き纏って
金を巻き上げたりしていた様だ。」
「そのことを当時、浩介くんには伝えたんだ。
でも僕が知ってる事はそこまで。
その後の事は浩介君に聞いてみるしかない。」
楓もその場面に図らずも立ち会っていた。
父が何を考えているのか、
自分が考えている以上に
父親は複雑な状態だと
あの時気づいていた。
浩介が話だした。
「申し訳ない。柊斗が…。
はぁ…そうか」
力無く封筒を机の上に置き
頭を再び抱えた。
浩介が動揺する姿に
リビングが静まり返っている。
浩介の隣に座っていた山城が封筒を手に取った。
「そうか。これを見たのか」
「洋ちゃん、知ってるの?」
佳乃子が聞く。
「浩介くんに勧めたのは俺だよ。」
「何で洋ちゃんが?」
佳乃子は浩介が知っている事に驚いていた。
「うん。実はね。
佳乃子には話してはいなかったんだけど。
叔父さんのお葬式の日に
浩介くんが夏海さんの車で帰った所を…
たまたま見つけてね。
跡をつけたんだ。」
佳乃子と楓は山城が尾行した事に驚きを超えて
「何でそんな事を」という顔をしていた。
山城はそれにいたずらな顔で応えて話を続ける。
「夏海さんは浩介くんを駅前で降ろすと
とある男の家に行ったんだ。
調べてみたらその男は
以前夏海さんと付き合っていて
その当時も何かと付き纏って
金を巻き上げたりしていた様だ。」
「そのことを当時、浩介くんには伝えたんだ。
でも僕が知ってる事はそこまで。
その後の事は浩介君に聞いてみるしかない。」
楓もその場面に図らずも立ち会っていた。
父が何を考えているのか、
自分が考えている以上に
父親は複雑な状態だと
あの時気づいていた。