しるべ
山城は淡々と浩介と夏海の書類のチェックをした。

「書類は揃ってますね。」
山城が書類をチェックし終えると、机の引き出しからから紙を取り出して浩介の前に置いた。

浩介は机の上に出された物を見て酷く驚いた。
その顔のまま山城の顔を見た。
山城は浩介に頷くように話し出した。

「お節介かもしれないが、
これは試しておいた方がいい。」

「…何を言ってるのかわかりません」
浩介は顔を強張らせ、紙の一片を見つめている。
怯えているようにも、受け入れられないようにも見えた。

山城は落ち着いた口調でゆっくりと浩介に話した。
「私はあなたを擁護する立場ではありません。
あなたは責任を背負い込めばいいと
思ってるように私は見える。
しかし、この問題はあなただけでなく、
今後3人の子ども達に何らかのデメリットが
出てくるかもしれませんよ。」


浩介は山城の説得に静かに考え、ゆっくり頷いた。
「…わかりました。検査します。」

山城は顔には出さなかったが内心ホッとし、
あのSDカードも渡した。
「こちらもお持ちください。参考資料です。」
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